暁 〜小説投稿サイト〜
炎髪灼眼の討ち手と錬鉄の魔術師
”狩人”フリアグネ編
十一章 「交戦」
[8/11]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話

 ま、人間の考える事なんて、そうそう変わらないか。
 上段から振り下ろされる攻撃を払い、放たれる拳を流して、切る。
 竜牙兵と同様、腕を振り下ろすか、殴りかかってくるだけの単調なマネキンの攻撃。
 この分ならまだまだ耐えられる。
 本当にキリがない。シャナの方は大丈夫だろうか。
 背後よりまた腕の振り下ろし。それ右で受け止めて、左を突き刺す。
 ふと、街灯の上で見ているだけだったフリアグネから、クスリ、と笑い声が聞こえた。
 仕掛けていた罠に、引っ掛かったな、と言わんばかりに。
 すると、先程までとは明らかに違う手応えを感じた。
「くっ!?」
 ―――腹部の強度が他の奴と違う。
 今では、突き刺して切り払うことでも敵を破壊できた。
 過去の回想、シャナへの気掛かり。俺自身は意識していなかったが、一瞬油断出来てしまっていた。
 ちっ、外見は同じだが別のタイプか。
 狙いはなんだ――?
 腹に突き刺さった干将を、マネキンは振り下ろした方と逆の腕で掴む。
 引き抜けない上、切り払うことも出来ない。
 莫耶で切り飛ばしたいが、振り下ろして来ている腕を防ぐので精一杯だ。
 だが、このままでは別のマネキンにやられてしまう。
「引いて駄目ならっ!」
 押し飛ばしてやる。
「うおぉぉッ!」
 干将から手を離し、左肩でタックル。
 腹に干将を刺したまま、マネキン(マネキンBと呼称する事にするか)を群れに押し飛ばす。
 入れ違いにマネキンが右腕を突き出してくる。
 同じように俺も莫耶を両手で持って突っ込む。
「くっ」
 こいつもマネキンBの様だ。
 腹に突き刺した莫耶を、突き出してきた右腕も使って、ガッチリとホールドしてくる。
 ただでさえ、硬い身体に突き刺してるから抜きづらいのにその上、両腕を使われると、剣は微動だにしない。
 ―――つまり、フリアグネの狙いは。
「武器破壊って事か」
 こうなったら、仕方がない。
 緊急手段だ。
「そんなに欲しけりゃ、くれてやる!」
 莫耶から手を離し、群れに目掛けてマネキンBを蹴り飛ばす。
 強化で増した脚力は、蹴り飛ばしたマネキンBごと、他のマネキンを何体も巻き込んで群れの中央部に雪崩れ込んだ。
「吹き飛べっ!」
 夫婦剣を爆破、群れを焼き払う。
 干将と莫耶の特殊能力―――なんて物ではなく、『壊れた幻想』という技だ。
 宝具を魔力に還元し、爆破する。
 宝具を大量に用意でき、なおかつ魔力が切れない限り弾切れを起こす事がない、俺とアーチャーはこれを常套戦術としている。
 通常の英霊は自らのシンボルであり、替えが利かない宝具をこんな使い方はしない。だが、投影でいくらでも宝具の複製品を用意出来る俺達だ
 この強力な攻撃法を使用しない手はない。

 奴の
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ