Chapter-5 第19話
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のを拾い上げた。毒沼のヘドロはあっという間に取れ、現れたのは、金色に輝き、ロトの紋章に中央には宝石が埋め込まれている美しいもの……。
「……これ、だ。これが…ロトの印……」
「見つけましたのね!?」
「ええ!僕はついに見つけたのです!かつて、ロト様がお守りとして持ち歩いていたあの伝説の……ああ、美しい……。貴女にも見せてあげますよ」
ハルカも、ローラ姫も興奮の声を思わず上げた。探し物がようやく見つかったのである。
「ハルカ様……」
「ローラ姫、では、僕はこれで失礼しますね」
「ええ、ハルカ様。いつでも私は待ってますわ。でも、なるべく早く…」
「解ってますよ」
王女の愛を使っての通信を切ると、ハルカはルーラを唱えた。
「ハルカ様……私、ちょっと怖くもあるのですよ。でも、信じてますわ」
メルキドの賢者のところに再び訪れたハルカは、ロトの印について、他に知っていることはないかを賢者に問いただした。
賢者は困った表情で話してくれた。
「ロトの印はロトの血を引くものしか触れることを許されないのじゃ。ロトの血を引くもの以外が触れると、かなり熱く感じるようになって、感覚がなくなるほどの大火傷を負うのじゃ。お主はやはりロトの血を引くものであったな」
ハルカは自分の手にあるロトの印を見つめていた。
(僕はロトの血を引くもの……そう、竜王を倒せるのは……僕だけだ。僕も、ロト様のようになれるのかな)
そしてロトの印を握り締めた。力が湧いてくる気がする。そして、ぼやけながらもロトの姿を思い浮かべた。どんな人か、たまに聞こえてきた声がロトだとすれば、穏やかながら、勇敢な男だろうか。
ハルカは賢者と少し話をした(大した話ではない)後、賢者に会釈をすると、神殿を後にした。
――ついに手に入れたんだね。待ってるよ、勇者ハルカ――
「え?」
ハルカはルーラを唱える前、謎の声を聞いた。勇者ロトの声かどうかはまだわからない。
しかし、それ以上に気になるのが、待ってるよ、の言葉。
これは一体、どういうことを示しているのか……もしかしたら、勇者ロトに会えるのか?
(……まさか!)
勇者ロトは400年昔の人物である。会えるとは思えない。普通ならば。
(僕の空耳、とは思えない……。とりあえず、帰るか)
ハルカはメルキドの人気のない場所で、ルーラを唱えた。
ハルカがラダトーム城へ戻ると、ローラ姫が嬉しそうに出迎えてくれた。ハルカが王の間に入ってきた瞬間、ローラ姫が抱きついてきたのだ。
「もう、姫様ったら」
もちろん王もいた。しかし王は怒りもせずただ笑っていた。
「ローラ姫は本当に勇者ハルカが好きだな」
「ハルカ様、ロトの印、あの、見せてください……」
「ええ、見せるだけですよ。話に聞いたところ、ロトの血を引いたもの以外が触れる
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