Chapter-5 第19話
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ハルカは苦笑しながら、神殿を後にしたのであった。
(ロトの印があんなところにあるとはね……どうして毒沼に放置しているんだか)
ハルカは簡単には手に入らないとは思ってはいたものの、まさか毒沼の中にあるとは思ってもみなかったのである。
しかし、少し考えると、
(つまりは、それだけ重要なものなのだから、簡単に手に入らないようにしているということなのだろうな……)
と、解釈して、自分で納得させた。
ハルカは元の鎧姿に戻ると、メルキドの街で食料と薬草茶の入った魔法の瓶(魔法がかけられている、保冷保温効果のある青透明の瓶)を購入し、メルキドの町を出た。
メルキドから山を隔てて南にあり、魔物もいたこともあり、倒しつつ進んで、3日かけてようやく目的地にたどり着いたのであった。
ハルカは再びロトの鎧姿になると、毒沼に足を踏み入れた。
「何か臭い」ハルカは思わず顔をしかめた。
それでも紙切れ片手に毒沼を進んでいく。
すると、音がした。
「……ローラ姫?」
“王女の愛”の音である。
「ローラ姫?どうなされたのですか?」
「いつもハルカ様からかけてくるので、たまには私から話しかけたかったのです。すいません、ご迷惑でした?」
「いえ、全然。ただ、探し物をしている最中でしたけど」
「探し物?とても重要なものでしたのね。失礼いたしました」
「いえ。僕は大丈夫ですよ。お気になさらず」
ハルカは会話しながら探せるように、“王女の愛”を首にかけた。
「ハルカ様、重要なものって何ですの?あっ……」
ローラ姫は言ってはいけないことだと重い、思わず黙ってしまった。口を手にあてたのであろう。
「ロトの印、ですよ。僕が本当にロトの勇者である証を探しているのです」
「まあ…」
「それが手に入れば、雨の祠に、貴女を連れて行くことが出来ます。僕や姫様の秘密が、解るかも知れませんね……」
「そうでしたわね。私も、お母様の事、詳しく知りたかったのですから、解るかもしれませんわ」
雨の祠の賢者の言葉。ただ事ではないということはハルカもローラも感じていた。
不安、はあまりなかった。むしろ、早く知りたい、真実なら早く知りたい。そう思っているのだ。
「あ、私、邪魔しましたわね。すみません」
「いいえ。作業じみたことが楽しく思えてきましたよ」
だだっ広い毒沼からロトの印を拾い上げるのは安易なことではない。紙切れに書いてあるとはいえ、本当かどうかはわからない。騙されているのかもしれない……。
「それは嬉しいですわ。でも、……大変でしょう?私も力になれれば……」
「いいのです。貴女の声が聞けて僕は満足です……ん?」
ハルカは毒沼に突っ込んだ手に何かがぶつかる感じがした。硬貨のようなメダルのような。
「どうしました?」
ハルカはそっとその硬貨のようなも
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