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DQ1長編小説―ハルカ・クロニクル
Chapter-5 第18話
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感じたのである。

ローラ姫の部屋で穏やかで楽しいティータイムを終えると、あっという間に夕方を迎えた。
ハルカとローラ姫はパーティ会場に連れられ、あの時(ローラ姫帰還記念パーティ)と同じように隣り合って座った。
国王・ラルス16世は一段と楽しそうであった。
「王様、今日は一段と機嫌がよろしいですね」
「おお、勇者ハルカか。実は我慢できなくて少し酒を飲んでしまったのだよ。控えめなパーティながら楽しんでくれ」
国王の顔は確かに赤かった。しかし、ハルカは酒臭さを感じなかった。その代わり、香水のような匂いを感じた。
「もう、お父様ったら、はしゃいでいらっしゃるのね。お父様もまだ若いですものね」
ローラ姫は特に疑問もなく父親に微笑んだ。今までの心配事が消えたわけではない。けれど、もしかしたら寂しさを感じているのかもしれない、とも、最近考えるようになったのだ。
「私も大人になれって事かしら」
ボソッとローラ姫が呟く。
「女の人の香り……ラルス16世は新しい王妃でも……?でも、ローラ姫……」
「お父様も、私がさらわれて離れ離れになって、寂しいと思ったから、新しい王妃が欲しくなったかもしれませんわね。私のことを思っている一方、私をもう大人だと思っているのかしら……もう少しで15になりますし」
それでも寂しいとは思っている、とも言っていた。ハルカは、もしかしたら、自分とローラ姫の関係を理解しているのかもしれない、自分とローラ姫が長い間一緒にいても、国王は何にも言わない。さらに、
(僕が竜王を倒したら、ここアレフガルドを離れるかもしれないという心情を見抜いているのか……!?いや、これはまだ他の人、ローラ姫にさえ話してはいない。……将来を考えて、外の大陸に複数の国を作ろうと……考えていることを)
とも思ってしまった。当然、戦士団は竜王討伐後、辞める予定で。
(まあ、今考えても仕方のないことだ。竜王を倒してからでも、遅くはないだろうし……)
ハルカはただ黙りながら、紅茶をすすっていた。
そんな時、横からローラ姫が話しかけてきた。
「ハルカ様、明日また出発なさるのよね」
「……ああ。ロトの鎧を手に入れるために」
「まあ。きっと危険ですわよね。伝説の鎧ですから、簡単には手に入らないと思いますし…」
「そうでしょう。恐らく、魔物が守っている、僕はそう聞いてますから。もちろん負けるわけにはいかないですが」
「お気をつけて。……私は力も無いし、呪文も威力の低いバギと回復呪文しか使えませんから、まともに戦えないですし」
「貴女を危険な目に晒したくないですし、ね。貴女は、僕の無事を祈っていてください、愛してますよローラ姫」
「はい、私も、ハルカ様のこと、愛していますわ」
ハルカとローラ姫は、一瞬だけ軽く、チュッと口付けを交わした。
幸い、誰
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