第二十五話 御神
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「だけどこれは、命と命のやり取りをするくらいの極限の状態を体験しなければこんなことにはならない」
そう言われて私は目をそらす。
「やっぱりか……」とお兄さんが呟く。
「遼ちゃん、どうしてそんな危ないことするの? あなたはまだこんなに小さいのに」
少し考えて、答える。
「……必要、だから」
「必要? 誰かが君にそう言ったのか?」
お兄さんの問いに、私は首を横に振る。
「私の、独断」
そう、これは私の身勝手。
「じゃあ、君に剣術を教えている人は?」
もう一回首を横に振る。
「……最後に、小太刀二刀御神流って剣術の流派を知ってるか?」
さらにもう一回首を横に振る。
「はじめて、聞いた」
そう言うとみんなが困った顔をする。
「たった一人でここまでたどり着くのか、末恐ろしい子だな」
「父さん、それよりも」
「ああ、そうだった!」
美由希さんに言われてお父さんが何かを思い出す。
「遼ちゃん、今日君に来てもらったのは神速をちゃんと会得してもらうためなんだ」
……え?
「遼ちゃんなら大丈夫だよ、基礎はできてるみたいだから、後はコントロールを身につければなんとかなるよ」
あれ、私の意思は?
「さあ、これから対戦するから着替えて着替えて、今日は取り敢えず神速を自在に引き出せるくらいにはなってもらうから!」
こうして、私は一ヶ月間、高町家戦闘要員たちの指導の元、私は神速を身につける訓練を行った。
その工程のほとんどを省略するが、これだけは言える。
――――――高町家は、化物だ――――――
side なのは
最近、遼ちゃんがうちによく来るようになった。
けれど、段々と元気がなくなっているように見えるのはなぜだろう?
お兄ちゃん達に聞いても苦笑いしかしないし、よくわからないの。
side クリム
最近、遼がよく高町家に出かけている。
どうやらあの視界の治療法を見つけたようだ。
私が力になれないのが悔しいけど、遼の症状が良くなるのはいいことだと思う。
だけど、少しは私にかまって欲しいな。
side ???
私の名前はフェリーネ・タルナート、旧名はプレシア・テスタロッサ。
これは私の名前だといろいろと都合が悪いからといって、遼さんがつけたものだ。
今の私は半分人間ではない。
死体兵士、ロストロギア『ブリュンヒルデ』に搭載された禁断の機能。
死体を蘇らせ、自らの兵士として使用するオーバーテクノロジー。
私が求めても届かなかった技術の一つ。
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