TURN81 内戦介入その十一
[8]前話 [2]次話
「ベッドから起きて着替えてだ」
「そしてですか」
「そのうえで来られるからこそ」
「そうだ、そのことを考慮に入れるのだ」
「では御三方が来られるのは少し後」
「待つべきですか」
「ましてや起こすなぞもっての他だ」
宇垣は二人を嗜めもした。
「他国の国家元首ご夫妻、そして国家にそういうことをしてはならない」
「確かに、それは」
山下もここで完全に止まった。
「ではここは」
「待つことも政治ではないか」
宇垣もまたこう言うのだった。
「ではいいな」
「はい、わかりました」
「それでは」
二人、そして福原も静かになった。彼等のやり取りを見てだった。
ハンナは意外といった顔でこうアメリカ妹に囁いた。
「人は顔によらないわね」
「そうだね」
アメリカ妹はその宇垣を横目で見ながらハンナのその言葉に頷いた。
「宇垣さんってあれで穏健派なのね」
「それもかなりね」
「顔だけ見たらあの人が一番過激そうだけれど」
「私もそう思っていたわ」
「けれど実際はね」
「あの人は日本の穏健派なのね」
「実はそうなんです」
日本妹が二人に話してきた。
「宇垣さんは穏健派で平和主義者です」
「確かうちとの戦争主張してなかった?」
アメリカ妹はかつての開戦前のことを日本妹に問うた。
「そうじゃなかった?」
「外相が主張されるのは止むを得ない時だけです」
「じゃあ避けられる戦争は」
「はい、避けようとされる方です」
それが宇垣だというのだ。
「そして前線においても」
「ああ、前線外交だね」
「それでも戦闘を回避されようとされます」
宇垣の得意技の一つである、この前線外交は。
「私も最初は強硬派と思っていました」
「けれど実際はなのね」
「穏健な方です」
日本妹はハンナにも話した。
「それも非常に」
「私もその辺りは見誤っていたわ」
ハンナはガメリカ国務相として反省すべきものも見ていた。
「全く、私もまだまだね」
「あたしもね。この戦争結構見誤ってるからね」
アメリカ妹も苦笑いになっている。
「その辺り、本当にね」
「難しいところね」
「まあ反省もいいあるが」
中国妹はきりのいいところで言ってきてハンナ達の反省を止めた。
「まだ少し待つことになりそうあるおから」
「お茶ね」
「今淹れたあるよ」
にこにことしてハンナに早速一杯勧める。
「さあ、飲むある」
「有り難う、それじゃあね」
「早速飲ませてもらうね」
ハンナもアメリカ妹も茶を受け取って飲みはじめる、そして。
中国妹は日本にも笑顔で茶を一杯勧めて言った。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ