第80話 裏切り
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……『人類文明の終焉』と言うのはどうですか?】
「悪趣味にも程がある!」
吐き捨てるかの様にハヤタは罵った。彼は憤怒していたのだ。大切な仲間をこんな道化に使われた事に怒りを感じていたのだ。
そして、それは隣に居るダンや郷もまた同じであった。
二人も憤怒の思いでヒッポリト星人を見ていたのだ。しかし、その表情を見てても、ヒッポリト星人は態度を変えなかった。
【そう、その表情ですよ! 貴方達のその怒りに震える表情。その表情が苦痛と悔しさで歪んでいきながら死んでいく。その様こそ私の芸術の最高の出来栄えとなるのです】
「ふざけるな! お前の道楽に付き合うつもりなどない!」
【貴方達がその気がなくても、こちらにはあるのですよ】
突如、ヒッポリト星人が巨大になっていく。全長約50メートルに行く程の巨体となり三人を見下ろしていたのだ。
「二人共、奴を倒すぞ!」
「任せてくれ、兄さん!」
三人は互いに頷きあい、その姿を人の姿から光の巨人へと変貌させる。
赤と銀の二色の色を持つ正義の巨人。ウルトラマンである。
【揃いましたか、ウルトラマン。さぁ、貴方達も私の偉大な芸術の一品になれる事を光栄に思いなさい】
(言った筈だ。貴様の道楽に付き合う気はないと!)
口火を切ったのはウルトラマンだった。手の形を刀の様に鋭く尖らせ、其処からエネルギーを収束させ、ノコギリ状へと変貌させたそれを勢い良く投げつけた。
それに呼応し、セブンもアイスラッガーを投擲し、ジャックもブレスレットを槍状に変化させて放つ。
それら全てが一点の迷いもなくヒッポリト星人目掛けて飛んで行った。
だが、それらはヒッポリト星人の目前で突然弾き返されてしまった。
まるで、見えない壁の様な物に弾かれたかの様に。
(何、バリアか!)
【どうです? これも我が主ヤプール様のお力なのですよ。貴方達には万に一つも勝ち目はないのです。諦めて私の芸術とおなりなさい】
(ふざけるな! 死んでも貴様の思い通りになどなるものか!)
怒号を上げて、ジャックは天高く飛翔した。そして、流星の様に急降下しつつのキックを放ったのだ。
かつて、キングザウルス三世を破った必殺のキックだ。
【無駄ですよ】
だが、それを以ってしてもヒッポリト星人の堅牢なバリアを破るには至らなかった。
弾かれたジャックが後方へと吹き飛び、そのまま地面に墜落してしまった。
(馬鹿な、流星キックが通じないなんて!)
(こうなったら一斉攻撃だ!)
ハヤタの号令と共に三人のウルトラマンがそれぞれ光線の構えを取り発射した。スペシウム光線が、ワイドショットが、それぞれ放たれてはヒッポリト星人の前で見えない壁に激突し激しいスパークを放っていた。
【ハハハッ、まだ気付かないようですね。この見えない結界の
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