序章 第二話 幽閉されし少女
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次元の狭間をさまよい続け、彼は今真っ暗闇の場所にいた。あ
ヴ「....ドジったな、まさかこのおれが自然発生した次元の穴ごときに吸い込まれるなんて...」
彼ほどの力を持つ者なら自分の意思で次元の穴を造れる。さまざまな世界に行き来するには必要不可欠な技だ。
だからこんな自然の穴に落ちたのが彼にはちょっと悔しいのだろう。
ヴ「...とりあえず起き上がってみるか。」
彼は起き上がり回りを見回した。
だがどこを見ても真っ暗。
ヴ「こんなに暗くちゃ何にもわからないな。
ハッ!」
彼は少し力を入れ手のひらから小さな気弾をつくりあげた。するとそれを中心にして明るくなった。
ヴ「フム まだ光少ないが十分だろう
さぁて.....」
彼は改めてこの空間を見回した。
暗くてわからなかったがどうやらここは部屋だったらしい。なんか血のように紅い壁紙だが変わった趣味と思い壁紙に関してはどうでもよかった。
問題はこの部屋、家具からして誰かが住んでいる。だが誰一人いない。
というかここはどこの世界だ?四大世界世界のどこかだろうがどこか『現実世界』に似た感覚もある。かつて自分も現実世界にいたことがあったからわかる。
現実世界であり幻想世界である世界。そんな世界があるということは聞いたことはあるがここはその世界の一つなのか?
そんなことを考えていると
「...誰?」
ヴ「!」
何者かの声がした。彼はその声がしたほうに向きかえった。
そこには壁にもたれ座っている少女がいた。赤い服装、見た感じ10歳にも満たないぐらいの少女、幼女だった。
だがその幼女から感じられる気は人間のものではなかった。むしろ彼がよく知る気、魔族の気に近かった。
だが彼女の背中にはえて?いる羽が魔族はおろか普通の生物とは少し異形な羽だった。異形といっても不気味な形をしている訳ではない。むしろ片方ずつにある七つの宝石なようなものがそれぞれ色が違いキレイであった。だが生物としてはあり得ない羽であった。
ヴ「...テメェこそ誰だ?こんな暗いところで座りこんで...」
フ「....私はフランドール・スカーレット、吸血鬼だよ。」
吸血鬼...魔族の中でもかなり有力な種族の一つだ。だが吸血鬼の羽はコウモリのような羽、彼女のは全く別物である。
フ「あなたこそ誰?妖怪....でもないよね、何なの?」
ヴ「...おれはヴリトラ、闇の王だ。」
フ「ヴリトラ....ねぇどうやってこの部屋に入れたの?この部屋は封印されているのに。」
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