−友好デュエル・前夜−
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明日香も認めてくれたようなので、女子寮に向かうことにする。
「顔赤いぞ、明日香。」
「なんでもないわよ!」
うおう…怒られた…?
二人で女子寮に向けて、男子寮の玄関を出た。
「明日はもう友好デュエルか…どんな奴が来るかな。」
「遊矢なら大丈夫よ。私は信じてる。」
俺と明日香は、夜の森を歩いていた。
女子寮までもう少しだ。
「そういや、なんで明日香は代表決定戦に選ばれなかったんだ?」
実力も成績も、俺や三沢と引けをとらない筈だが。
「私は、ああいった舞台は苦手なのよ。…兄さんは、そういうノリが好きだったんだけど、その影響かしらね。」
…しまった。
兄さんの話題引いた。
明日香からしてみれば、ただの話題だろうが、行方不明の人間の話題を聞けるほど、自分は鈍感ではない。
「明日香。…一つ、頼みがあるんだ。」
もうすぐ女子寮。
それまでに言おう。
「なにかしら?」
「実は、俺。お前の…」
一歩、明日香に近づく。
「ええっ!?」
明日香が顔を赤くして固まる。
…たまに、明日香は面白い行動を起こすよな。
「お前の」
「ちょっと待って!まだ私…心の準備が!」
「《サイバー・ブレイダー》を貸して欲しいんだが…」
早口でまくしたてて来た明日香の言葉をスルーして自分の用件を言う。
「え?」
その年で難聴か?
「さっき、お前と三沢がデッキ作りを手伝いに来てくれたのが、すごい嬉しくてさ。二人のカードをデッキに入れるわけにはいかないから、俺が使わない、エクストラデッキに入れようと思ったんだが…」
三沢は俺と同じで、エクストラデッキ使わないから、残念ながら無理だった。
「…私…何を考えて…」
「明日香?」
「な、なんでもないわよ!」
明日香は慌てながら
「なんでもない」
ということが多いのか?
なにかしらある、と言っているようなものじゃないか。
まあ、良いか。
「そんなわけで、お守り代わりと言うか…」
「良いわよ。貸してあげる。」
そう言って、明日香は自分のデッキからサイバー・ブレイダーを取り出す。
「活躍するところが見られないのは残念だけど、あなたの助けになることを祈っているわ。」
「ありがとうな。」
サイバー・ブレイダーを、使わないエクストラデッキに入れる。
「あら?他にも、エクストラデッキに入っているの?」
「ん?ああ。いつだか、結構前に貰ったんだけどさ。背景が白で描かれてるエラーカードだよ。」
あの時貰った、エフェクト・ヴェーラーともう一つのカード。
まさかのエラーカードだった。
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