第17話
[5/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
聖なる力と魔なる力は混じりあう事は無い。だが、そこに剣という要素を加えれば共有出来る物が発生し混ぜ合わせる事が出来る。まあそれ以外にもとある要素があるのだがな」
「それ以外の要素だと?いや、そうか、そういうことか。聖と魔、それらを司る存在のバランスが大きく崩れているとするならば説明は付く。つまり、魔王だけでなく、神も」
後方から近づくそれに気付いた私は拳撃を飛ばして撃ち落とす。どうやらイッセーは部長達を庇って負傷したようだな。レイナーレが治療しているが、すぐには動けそうに無い程に重傷のようだ。
「無粋だな」
「ほう、貴様が赤龍帝の言う聖闘士か。まさかただの人間だとは思わなかったが、なるほど、今の攻撃を防ぐ所を見るとまんざら嘘でもないようだ」
「コカビエル、一体何を」
「バルパー、お前は優秀だ。だが、オレはお前が居なくても別に良いんだ。最初から一人でやれる」
「コカビエル、貴様!!」
激昂してコカビエルに飛びかかろうとするバルパーを手で制する。
「バルパー・ガリレイ、貴様は悪行を為してきたが、純粋な悪ではない。ゆえに私は手を出さない。しかしコカビエル、貴様は違う。この地上に戦乱を齎すというのなら貴様を排除する」
「たかが人間ごときに出来るのならな」
「木場、5秒だけ時間を稼げ。お前の聖魔剣以上の聖剣を見せてやろう」
「分かったよ」
木場がコカビエルに斬り掛かっていくのと同時に黄金聖衣を纏い、右手に小宇宙を集めていく。
「見ているが良いバルパー・ガリレイ。お前と同じく聖剣に憧れ、使えなかった男が自ら鍛え上げた聖剣の切れ味を」
5秒。私が模倣した為に発生してしまった時間。黄金聖闘士の戦闘としては致命傷以上の溜めを行なってから放たれるそれは威力はオリジナルと変わらない。聖剣に憧れた男が生涯に掛けて鍛え続けてきたそれは男の死を持って完成した。それまではただの無銘、死後についたその名は
「聖剣抜刀!!!!」
右手に小宇宙を溜めた普通の手刀。それがこの技の正体だ。だが、聖剣の名に相応しいだけの結果を残す。聖剣は軌跡すら見せずに全てを斬り去った。私からコカビエルの方向にある全てを。コカビエルの身体が斜めにズレるのと同時に世界すらもズレる。
「聖剣に斬れぬ物無し!!」
世界が元に戻る時になってやっと衝撃が発生する。
「これは、まさしく私が夢見た聖剣」
「すごい、これが黄金聖闘士の力なのかい?」
後ろでバルパーと木場の声が聞こえるが今は無視する。目の前に墜ちてきているコカビエルはまだ生きている。身体を半分に斬られたというのに中々しぶとい。
「よくその程度の力で世界を戦乱に巻き込もうとしたな。所詮貴様は井の中の蛙だったという事
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ