第17話
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からな」
なるほど、温かい小宇宙が込められているはずだ。木場の同士達は死してなお木場の事を思っているのだろう。
バルパーが投げ捨てた結晶を優しく受け止め木場は愛おしそうに抱きしめる。
「みん……な」
木場の瞳から流れる涙を見て、私は小宇宙を結晶に与える。私の小宇宙を媒介に姿が透けている何人もの少年少女が現れる。
「自分たちの事はもう良い。君は君の道を歩いてくれ」
一人の少年が微笑みながら木場に話しかける。
「私達の為に自分を縛られないで」
一人の少女が木場を優しく抱きしめる。
「……ずっと、ずっと思っていたんだ。僕が、僕だけが生きていて良かったのかって。僕より夢を持っていた子が居た。僕よりも生きたかった子が居た。僕だけが平和な暮らしを送っていていいのかって……」
「確かにそうだけど、君には僕達とは違って待っている人が、見守ってくれている人達が居る。今僕らに力を貸してくれた様に」
木場が私の方を見てきたので、首を縦に振って答える。
「ありがとう、ありがとう」
木場が更に涙を流す中、少年少女達は聖歌を奏でる。
「僕達は、いつもひとつだ」
結晶が砕け散り、少年少女達の姿は薄れていき、代わりに莫大な小宇宙となって木場を包み込む。
「ああ、何時見ても綺麗な光景だ。小宇宙が目覚める瞬間とは」
木場を包み込んでいた小宇宙が収まるに連れて木場自身の小宇宙が燃え始める。
「バルパー・ガリレイ、貴方を滅ぼさない限り、第2、第3の僕達が産み出されて死んでいく」
「研究に犠牲はつきものだ。ただそれだけの事だ」
「僕は剣になる。部長を、仲間達を守る剣に!!今こそ僕の思いに応えてくれ、魔剣創造!!!!」
魔なる力と聖なる力が小宇宙によって混ざりあっていく。そして産み出される一本の剣。それはフリードの持つ聖剣よりも神々しいオーラを纏っている。
「禁手、『天覇の聖魔剣』。聖と魔、そして小宇宙を有する剣の力、その身で味わうと良い」
木場は一直線にフリードに向かって走りだす。フリードも木場に向かって走りだし、聖剣を振るう。しかし、木場の産み出した聖魔剣の一振りによって粉々に砕け散った。
「はあああああぁぁぁ!?そんなのアリですかぁぁぁ!?大昔から最強伝説を語り継がれてきたんじゃねえのぉぉぉぉぉ!?」
「これで終わりだああ!!」
エクスカリバーを折られて動揺しているフリードに木場は聖魔剣を振りかざした。フリードにそれを防ぐ手は無く、鮮血を振りまきながら地面に倒れ伏した。
「僕らの剣が、エクスカリバーに勝ったよ」
「せ、聖魔剣だと?有り得ない。反発しあう二つの要素が混じりあうはずがない」
「残念だったな。バルパー・ガリレイ、確かに
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