第16話
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問題も無い。先程のは夢だったが、現実でもある。二人とも未熟だ。故に無駄死にする可能性が高い。エクスカリバーを盗んだ者が何を考えているかは分からないが、二人が無駄死にする事で今の休戦状態が変化するのは聖闘士として見逃す事は出来ない。何より、二人共に言えるが精神面が脆すぎる。私はそれが心配だ」
「精神面が脆いだと」
「我が神が救ってくれる。その言葉で死への恐怖を紛らわせていたようだが、その神が既に死んでいると思った事はないのか」
「ふん、そんな事ある訳が「前大戦では悪魔側は四大魔王を、堕天使側は幹部の大半を失っているのだぞ。天使勢に被害が無いと本当に思っているのか?ハッキリ言ってやろう。聖書の神は既に討たれている。二天龍によってな」馬鹿な!?」
「そうだろう、ドライグ」
『ふん、何故貴様がそれを知っているかは知らんが事実だ。これはどの勢力でもトップ陣の間では周知のな』
「「そ、そんな」」
目に見えて二人が気落ち、というには言えない位に落ち込み泣きながら天を仰ぎ始め十字を切ったりする。十字を切るたびに私以外のグレモリー眷属が苦しそうにする。この現状を招いた原因として私が二人を預かる事になってしまったが仕方ない事だろう。というか十字を切ったり、聖句を唱えられるのが結構辛いらしい。それにしてもやはり脆いな。まあ私も人の事は言えませんが。
二人をアナザー・ディメンションで自宅に運び、イッセー達が泊まりに来た時に貸している部屋に通す。夕食を持って行った時と下げに行った時も様子は変わらず、夕食にも手は付けられていなかった。二人の事を気にかけながらも私はこれと言った対応が取れていない。二人には冷却期間が必要だ。これは私自身の経験だ。少し落ち着いて、それから何かの切っ掛けがあれば立ち直る事が出来るのだが。二人が自棄を起こして変な行動をしないかだけを確認しながら時が過ぎるのを待つ。翌日も朝食を持っていったのだが、手をつけた様子は無かったが昼食には少しだが手を付けてくれたようだ。まあ夕食には手を付けていなかったけど。日も沈み闇が支配するリビングで月明かりの中、ワイン(冥界産)を飲んでいるとイリナが部屋から出てきた。
「イリナか、どうした?」
「双葉兄ぃ」
イリナは私に抱きつきながらずっと泣き続ける。昔、転んで泣いていた時の様に抱きしめてその背を撫でてやる。
「神は、神は本当に」
「死んでいる。だが神の作ったシステムは残っている」
「だけど、神は居ない。私が信じてきたものはただの幻想で」
「違うな。間違っているぞイリナ」
「え?」
「信仰とは何処までも純粋な物だ。見返りを求めず、心の拠り所に祈りを捧げる。それの対象が本当に存在している必要などない。教会関係者なら実際に天使達に会う事は出来
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