第15話
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ライザー様のトラウマ克服の為の治療というか訓練の内容は至って簡単だ。洗脳系の技をかけながら、少しずつ小宇宙に慣れさせる。錯乱して暴れれば小宇宙を外に出さずに肉体強化に全てまわして押さえつける。フェニックスであるライザー様は暴れる時に炎を纏ったりまき散らしますが、その火力は青銅クラスの炎熱系よりも劣るので聖衣を纏う必要すらありません。というより黄金聖衣にもなると聖衣自体に小宇宙が宿っているのでライザー様のトラウマ克服には邪魔にしかなりません。治療も食事前に1時間、体調によってはそれよりも短くなる事もある。それ以外では普段通りに遺跡の解読や家庭教師の教材を作ったり、悪魔に関しての基礎知識をレイヴェル様に教わったりしながら週3回のペースでフェニックス邸に通っている。そんな風に過ごしつつ、今日も部活に行こうとすると旧校舎の清掃を行なうのでイッセーの家で行なうそうだ。そして少し遅れて行ってみるとイッセーの母親がアルバムを持ち出して皆で見ていた。今皆が見ているのは丁度私とイッセーが出会った頃のアルバムだ。
「これ、神代先輩ですか?」
塔城さんが一枚の写真に指を指す。
「ええ、それが私の幼い頃です。手前で玩具の剣を持ってるのがイッセーです」
「今とあまり雰囲気が変わってないわね。まるで兄の様にイッセーを見守ってるのね」
「ふふ、そう見えるかもしれませんね。実際、イッセーに振り回されるように一緒に遊んでいましたから。もの凄くやんちゃでしたからね、イッセーは。ほら、これなんか特に」
「だああああああ!!何でこんな写真があるんだよ!?」
私が指差したアルバムには小学生の低学年の頃にイッセーの家族に連れられて海水浴に行った時の写真があった。そこに写るイッセーは波に水着を攫われて全裸で立っている所だった。
「私が撮った物ですよ。綺麗に撮れているでしょう」
「何でこんな瞬間を撮れるんだよ!?」
「私だからです」
「畜生!!反論出来ねえ!!」
笑いながらページを捲っていくと懐かしい人物が写っていた。
「懐かしいですね。元気にしているでしょうか」
「誰ですか?」
「幼なじみですよ。おそらくもうまともに会う事も出来ないでしょうが」
更にページを捲り原因である物が写っている写真を捜します。
「ああ、これですね。この男性の腰に有る物。何か分かりますか?」
私が指差した写真にはイッセーともう一人の幼なじみが私に肩を回して笑いあい、その後ろに幼なじみの父親が写っている物だ。その父親は首に十字架を着け、腰に剣を差している。
「これは、模造刀?でも神父だし真剣かしら」
「……いえ、部長、違います。これはそんな物じゃありません。こんな、こんな所に有ったのか。神代君、彼らは今
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