第1局
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てるとはな。」
「え、アキラくんに三子?嘘!アキラくん勝ったのよね。」
「ええ、一応2目勝ってます…。」
そのやり取りを聞いて、周囲の客たちも集まってきた。
「え、アキラ先生に三子で2目負けですか!そりゃすごい!」
「アキラくんはプロに近い実力なんだぜ、それに三子で2目!。」
「かわいい女の子にしか見えなかったけどねえ。あれ、最後まで打ち切ってないんだ。」
「2目差で打ち切らないって珍しいですね。」
そんな周囲の問いに、アキラが答えた。
「あの子達が最後まで読みきったので、ここまでになりました。」
「ええっ!ここで読みきり!ちょっと、北島さんわかります?」
「…いや、盤面互角にしか見えないな…。」
アキラの答えに、周囲の老人達はますますざわついた。
「ちょ、ちょっと待ってよ、三子ってホントなの、アキラくん。だってあの子、いつも一緒にいた男の子と五子で打ってもらってるって言ってたのよ!」
アキラは一瞬何を言われたのかわからなかった。市河の言葉の意味を理解したとたん、思わず立ち上がり、盤面を呆然と眺めた。
そんなアキラの様子をよそに、緒方がつぶやいた。
「この相手に五子か…。単純に計算すると、アキラくんより強いってことになるか。」
「いや、なに言ってるんですか緒方さん、アキラ先生は指導碁でしょう。」
「そうそう、アキラくんより強い子どもなんかいるわけありませんよ。」
碁会所のざわめきは、しばらく続くこととなった。
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