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ドン=パスクワーレ
第二幕その三
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は彼に囁くのだった。
「ノリーナさんも完全にわかっているからね」
「そうですか。それにしても」
「いや、予想以上だよ」
 すっかりノリーナにしてやられているパスクワーレを見ながらまたエルネストに囁いた。
「この有様はね」
「いや、確かに」
「さて、どうなるかな」
 マラテスタは二人、というよりはノリーナの動きを楽しそうに見守るのだった。
 ノリーナはベルを鳴らした。すると屋敷の使用人達が皆部屋に入って来た。彼女はすぐにその使用人達に対して告げるのであった。
「私がこの屋敷の新しい主です」
「主はわしじゃ」
「貴方に発言権はないわ」
 弱々しいながらも言おうとしたパスクワーレをここでもぴしゃりだった。

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