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万華鏡
第三十五話 厳島神社その十三
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「音楽を奏でられるし踊れるの。天理教の踊りはておどりっていうのだけれど」
「天理教って。うちの学園の中にも教会があって」
 そしてだというのだ、彩夏が言う。
「町にもあるわね」
「八条分教会ね」
「景子ちゃんって天理教の人ともお付き合いあるわよね」
「ええ、そうなの」
 実際にそうだとだ、景子は高舞台、白い床が赤い結界に護られているその場を見ながら彩夏にこう話した。
「仏教のお坊さんやキリスト教jの神父さん、牧師さんともだけれど」
「宗教は違ってもなのね」
「同じ宗教関係者だからね」
 その縁からだというのだ。
「子供の頃からお付き合いさせてもらってるわ」
「八条分教会の人とも?」
「あの教会の長女さん今は神戸におられないけれど」
 景子は天理教の教会の家族のことも話した。
「奈良の方におられるけれど」
「奈良に?」
「天理高校に行かれて天理大学に進学されたの」
 それで今はいないというのだ、神戸には。
「だからおられないけれど」
「どういった人なの?その人」
「凄く優しい人なの。真面目で頑張り屋さんで」
「いい人なのね」
「凄くね」
 景子は彼女が結構慌て者でおっちょこちょいなのも知っていた、しかしそのことは今はあえて言わないでさらに言うのだ。
「外見は小柄で垂れ目で童顔で八重歯で」
「可愛い感じの人?」
「そうなの、髪型は黒のショートヘアで」
 髪型の話もする。
「私達より年下に見える位なの」
「小柄なのね、その人って」
「妹さんが二人いてその人達もだけれど」
「大体どれ位なの?背は」
「一五〇よ」
 それ位の高さだというのだ。
「妹さん達もだけれど」
「小柄なのね、本当に」
「そうなの、凄く小柄で可愛い人なの」
 年上だがだ、そうした人だと話すのだった。
「昔は私より背が戦ったけれど」
「今はなの」
「そうなの、ご本人仰らないけれど気にされているわ」
 それがわかるというのだ。
「実際のところね」
「背って気にする人は気にするからね」
「女の子でも男の子程じゃないけれどね」
 だがそれでもだというのだ、尚小柄と言われていたナポレオンは実際は当時のフランス人の平均身長より数センチ高かった。
「気にするわよね」
「それでその人もなの」
「そうなの」
「背っていえばね」
 彩夏はここで美優を見た、五人の中で最も背の高い彼女をだ。
 そのうえでだ。こう美優に言った。
「美優ちゃん位あればね」
「何だよ、急に」
「いや、いいかしらって思って」
「まあ背で困ったことはないけれどさ」
 美優は少し気恥かしそうに笑って彩夏に返した。
「それでもさ」
「こうしたお話嫌い?」
「中学の頃男子から結構言われたんだよ」
「大きいって?」
「ああ、デカ女
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