第五章 StrikerS編
第百三十二話 『過去と大切なこと』
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の程度の宝具なら知られても痛くも痒くもないから。
私が知られてしまうもっとも怖いのは固有結界一つだけだしね」
もちろんこの発言に慢心要素はかなりあるだろう。
私はわざと言っているのだから。
でも今回はあえて切り札の一つを出す。
囮として危ない橋を渡ろうとしているのは百も承知だ。
でも、もしかしたらこれでアクションを起こす奴がいるかもしれない…。
そう、例えば隻眼の魔術師の男とかね。
これで何も起こらなければそれでいい。
でも、これでなにか反応を示せばアタリだろう。
そのうち行動を起こすかもしれないから待ち構えていないとね。
そんなこんなで作戦は決まり私達はフォワード陣が待っているヘリポートまで向かう。
そこではすでにみんなが集まっていた。
「ティアナ。もう大丈夫…?」
「はい! ご心配おかけしました! もう無茶な行動はしません!」
「うん。ならいいかな。
それと今回の任務はシホ隊長が一撃で沈める予定だからみんなは見てるだけでいいよ?」
「え…一撃でって…」
「あんなに距離が離れているのにできるんですか?」
みんなが一様に不安な表情をしている。
「任せなさい。見事一撃で沈めてやるわ。久しぶりに宝具を使うしね」
私の『宝具』という言葉にフォワード達がハテナな顔をする。
だが私はみんなの前でその異常性をすぐに見せることになる。
久しぶりに見せる私の本来の姿。
「―――投影開始」
デバイスの弓ではなく使うのは投影した洋弓。
デバイスでは宝具の魔力に当てられて悲鳴を上げて耐えられないのでしょうがない。
そして、
「投影、重装」
投影する宝具は『赤原猟犬』。
それを弓に番えて私は時間をかけて魔力を注ぎ込む。
◆◇―――――――――◇◆
Side レン・ブルックランズ
宝具を使うと言ってシホさんはその手にデバイスではない弓を手に出した。
あれがシホさんの言う転送魔術?
こんな魔力のこもった弓を転送できるんだ。
でも、そんなものはまだ甘かった。
「投影、重装」
そう唱えた途端に現れたトゲがたくさんある剣? それとも矢? それらを転送してきた途端、寒気を感じた。
原因はその矢から溢れてくる凶悪なくらいの魔力。
それに思わず恐怖を感じている僕がいた。
見れば僕以外のメンバーもその矢から感じる桁違いな魔力に圧倒されて汗を流して無言になっている。
「ひ、久しぶりだね。この感覚は…」
「…うん。やっぱりシホの使う宝具は魔法と比べて桁違いだ…」
「だな。あたしでも恐怖を感じちまう…」
「…ああ。だが私としては心地いい空気だ」
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