暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第37話 ビーストテイマー
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に彼女は疲労困憊してき……更に日も沈む。
時間はどんどん過ぎ去っていき、遂に夜の闇がこの森を支配してしまった。夜になると、昼間に比べモンスターの遭遇率も遥かに増すのだ。
疲労感も襲ってきている為、シリカは走る事を諦め、運よくエリアの端に転送される事を願いながら歩き始めた。当然、夜だと言う事以外にも、歩きに変えた事で、モンスターから逃げる、と言う選択肢も選びにくくなり、遭遇率も格段にあがってしまう。
そして視界が悪く、敵の不意打ちも受けやすくなる。
悪循環がシリカを襲っていた。
ピナのおかげで、始めこそは大丈夫だったのだが、時間が経つにつれて所持していたアイテム。《ポーション》《回復結晶》が徐々に底をついてきたのだ。
シリカに更に、今日一番の不運に襲われる。
「ッ……。ドラゴンエイプっ!」
この層で最強である猿人のモンスターが現れたのだ。それも、3体も同時に現れた。いつものシリカならば、問題ない。だけど、回復アイテムが尽きている今は危険極まりなかった。
「ガァァァァッ!!」
「きゃあっ!!」
ドラゴンエイプの一撃がシリカを襲う!その一撃はHPゲージを半分にまで削られてしまう。
「きゅーーーっ!!」
主人であるシリカが襲われたのを見て、ピナは すぐさま《回復ブレス》で、シリカの傷を癒し、HPを回復させた。
それは1割程の回復であり、そうはもたない。だからこそ、回復アイテムが必要なのだ。だが……。
「ッ!!(か、回復アイテムが!)」
シリカはこの時、アイテムが尽きている事に気が付いていた。そして、3匹のドラゴンエイプが目の前に迫る。その巨大な棍棒が迫ってきた。
死が目前にまで迫ってきたのだ。
「っ………」
その瞬間、彼女は動く事ができなかった。
圧倒的な恐怖の前で……まるで身体が固まってしまったかのようだった。これまで、死を感じたことが無かったから……彼女を慕う男性プレイヤーが守ってくれていたから。だからこそ、動けなかった。
その棍棒が振り下ろされるその寸前。
自分とその棍棒の間にある影が見えた。
自分の命を奪う攻撃から守ってくれたのは。
この世界で出来た最愛の……。
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