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アマガミフェイト・ZERO
〈……一方その頃〉
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「……これは紗江殿、いったいどうされたというのですか?」
 あまりのケーキの量に、言峰は一瞬言葉を失った。
「え、えと、い、いつも頑張っている、皆さんに、何かプレゼントしたい。あの、そう思って……。それと、ア、アルバイトの練習に、なるかなって」

 紗江は、商店街にある制服が可愛いファミレスのアルバイトに、申し込みたいと思っていた。でも、ちゃんと出来る自信が、紗江には無かった。良く知らない人と話すのが苦手な自分。予想外の出来事が起こると頭の中が真っ白になって、どうしたら良いか解らなくなる自分。そんな自分を変えたい。でも、やっぱり怖い。
言峰にとって、不安と懸命に闘う健気な紗江の姿は、極上の美酒以上に自分を高揚させた。神はこの子に試練を与え、成長を促している。ならば、私も神に仕える者として、その意に従うまで。言峰は、紗江を無事ファミレスのアルバイトに合格させるべく、アサシンを駆使して集めた情報を下に、特訓を色々考えて紗江にやらせていた。その甲斐あってか、近頃は紗江も自分でアルバイトの為に、色々やるようになっていたのだが……。

「よく、学校の後でこれだけの量を作れましたね」
「……えと、ザイードさんも、手伝って下さったので」
「お嬢様のお手伝いも、仕事の範疇と捕えましたので」
 紗江の後ろに、片膝を付いて頭を垂れる黒ずくめのサーヴァントが、音も無く現れた。全身を黒装束に身を包み、顔を白い仮面で隠している。
「……あの、めい、わく……でしたか?」
 両目を閉じて無言になった言峰に、紗江が恐々声をかける。
「……いえ。せっかくの紗江殿のご厚意ですから、ありがたく頂戴いたします。アサシンも、何人かは呼びかけに応じれるでしょう」
 言峰が虚空に呼びかける。すると、部屋のあちこちに不気味な黒い人影が、次々と現れた。どの人影も、先ほどザイードと呼ばれたサーヴァントのように、全身黒ずくめで不気味な仮面を被っている。アサシンというサーヴァントは一人の筈。なのにいったい、これはどういう事であろうか。
 言峰の近くに現れた人影が立ち上がり、頭を垂れた。身体付きから、女性だと解る。
「来れるものだけですが、集合しました」
「紗江殿からのご厚意だ。皆で受け取るがいい」
 女アサシンが、紗江の方を向いて再び頭を下げる。
「お嬢様、度々のご厚意、まことにありがとうございます。我らのような闇の者に、このような愛情。もったいなく思います」
 紗江が顔を赤くしながら、ふるふると頭を振る。
「い、いえ。わ、私には、これくらいしか出来ないので……でも、やっぱり、その衣装の方が、似合います」
「まことその節は、幾度頭を垂れても足りません。お嬢様のお陰で、この異国の地でも違和感無い格好で隠密に望めております」
「そ、そんな。む、昔集めてたコン
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