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ドン=パスクワーレ
第一幕その五
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「はい、なって頂きます」
 こう話すのである。
「そのうえでパスクワーレさんを引っ掛けてです」
「わかりましたわ」
 ここまで聞いたうえで満足そうに笑うノリーナであった。そうしてそのうえで言うのであった。
「私は晴れてエルネストと」
「そういうことです」
「そういうことなら任せて下さい」
 にこやかに笑って言葉を返すノリーナだった。
「私も恋愛なら百戦錬磨」
「そうでしたね」
 どうやら二十にして相当な過去があるらしい。
「それを使えばあの人は」
「晴れて貴女と一緒になれます」
「それじゃあ今から」
「はい」
「お茶でも飲みながらお話しましょう」
 こうマラテスラに対して切り出すのであった。そうしてそのうえでテーブルを挟んで向かい合って座る。ここであのメイドが三度やって来たのであった。
「お待たせしました」
「お茶ね」
「はい、それとお菓子です」
 それもあるというのである。
「お持ちしました」
「有り難う。じゃあテーブルの上に御願いね」
「はい」
 メイドは言われたままそのお茶とお菓子、それにカップを二人分それぞれの前に置いた。そのうえで姿を消し後に残った二人は。そのうえであれこれと話をするのであった。

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