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勇者番長ダイバンチョウ
第1話 番とバンチョウ
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のに手を貸して貰えねぇか)
【ったく、散々人に喧嘩売っといてそりゃねぇだろうが! 自分で撒いた種は自分で刈り取るのが常識だろ?】
(俺だってそうしたいさ。だけど、このままじゃこの星が奴等の手に渡っちまう。それだけは嫌なんだよ!)
 バンチョー星人の切実な願いであった。そして、それは番もまた同じであった。
 星がどうこうと言うのは別にどうでも良い。だが、生まれ育ったこの町を好き勝手されるのは冗談ではなかった。
【しょうがねぇ。この町をあんな奴等に渡す気はねぇしな。さっきの事は水に流してやる。一緒に戦うぞ、バンチョウ!】
(ば、バンチョウ?)
【あぁ、どうもバンチョー星人ってのが呼び難くてなぁ。それに、そっちの方が俺としちゃしっくり来るからよ】
(そうか、まぁ良い。宜しく頼むぞ、番!)
【任せておけ、バンチョウ!】
 会話を一区切りし、番は一歩前に踏み出した。それに呼応し巨人も足を一歩前に踏み出す。
 目の前ではゴクアク星人達が何時でも攻撃出来るようにスタンバイしている。
【やい、ゴクアク星人! てめぇらのその捻じ曲がった根性、この番町の番長のバンチョウ様が直々に叩き直してやるぜぃ!】
【番町の番長のバンチョウ? 何だいきなり】
【さっきの攻撃のせいで頭がいかれたのか?】
【つくづく面倒臭い奴だな】
 どうやら悪党には理解に苦しむ名乗り向上だったらしい。まぁ、一般市民でもその名乗り向上を理解するのは難しいだろうが。
【えぇい、面倒だ! さっさとぶっ壊せ! どうせあんなオンボロ。すぐにスクラップだ!】
【バンチョウを舐めるんじゃねぇ!】
 動きがさっきとは全く別人の如しであった。
 一瞬の内にゴクアク星人Aの目の前まで接近したのだ。それに全てのゴクアク星人が度肝を抜かれる。
 そして、一瞬の内に目の前に居たゴクアク星人Aのドテッ腹にバンチョウの右拳が貫通していたのだ。
【な、何だこいつ! 動きも、スピードも、パワーもさっきとは桁が違うぞ!】
【当たり前だ! 俺はこの町の番長、轟番様! そして、こいつはこの星の番長、バンチョウ様だ! その捻じ曲がった根性の隅にでも刻み込んで置けぇ!】
 沈黙したゴクアク星人Aを放り捨て、続いて右隣に居たゴクアク星人Bに対し勢いの付いた右回し蹴りを叩き込んだ。即頭部にヒットしたそれが決め手となりゴクアク星人Bもまた糸の切れた人形の様に地面に倒れ伏してしまった。
 残るは一匹だけだ。そう思い振り返った瞬間、突如目の前が閃光に包まれた。
【ゲゲゲッ! こ、これでどうだ! そんなオンボロボディなんて一発で粉々だぜぃ!】
 最大出力で放ったそれが激しい爆煙を巻き上げる。これならば幾ら何でも、そう思っていた刹那、黒煙の中から無傷なバンチョウが姿を現した。
【う、嘘だろぉ!? 何でそんなオン
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