第1話 番とバンチョウ
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ぉ!】
【上等だぁゴラァ!】
勇猛果敢に突撃するバンチョー星人。だが、複数の巨人達の一斉攻撃を受けてあっさり跳ね返されてしまった。
地面に激突し、辺りに衝撃が走る。
【く、くそぉ……こんなオンボロボディじゃなけりゃ。あんな奴等一撃で倒せるってのによぉ】
「おいてめぇ、人ん家の軽トラ盗んどいて何好き勝手抜かしてんだ!」
【お、お前……】
見れば、倒れたバンチョー星人の近くにようやくたどり着いた番が居た。
多少息が荒れてるが元気の様だ。流石は番町の番長である。
「大体、ご大層な啖呵を切った割りにはボロ負けしてんじゃねぇか! もっと気合入れやがれ!」
【うるせぇ! こんな体じゃなけりゃ今頃あんな奴等全員のしてるところなんだよ!】
「どうだかな? もしかしてお前、本当は喧嘩弱いんじゃねぇの?」
【あんだとこの野郎! 俺は喧嘩最強のバンチョー星人だぞ! 今まで99回戦って99回勝ってるんだ! 俺が弱い筈がねぇ!】
「だったら今すぐあんな奴等倒しちまえよ!」
忽ち番とバンチョー星人との言い争いが勃発してしまった。しかし、ゴクアク星人達にはそんな事お構いなしの如く砲撃を再開しだす。
背中から一斉砲撃を受けたバンチョー星人が再び倒れ込む。その場所に番が居る事など気にせずに。
「うおわぁぁ! 馬鹿、来るなぁぁ! 死ぬ、俺が死んじまうぅぅ!」
急いでその場から逃げようとしたが、時既に遅しであった。哀れ、轟番はバンチョー星人の巨体に下敷きとなってしまったのだ。
そして、倒れた拍子に沈黙してしまったバンチョー星人。
【死んだか? 馬鹿な奴だぜ。俺達に楯突くからこうなる……ん?】
ゴクアク星人達は言葉を止めた。見ると、ゆっくりとだがバンチョー星人が起き上がっているのだ。
【何? まだ起き上がれるのか】
【しぶとい奴だ。あんなオンボロボディの分際で】
【時間の無駄だ。最大出力で一気に片付けるぞ】
ゴクアク星人全員が構えを見せる。
そんな時、バンチョー星人は起き上がりゴクアク星人達の方を向いた。
【あ、あれ? 俺……どうなっちまったんだ?】
バンチョー星人の口から聞こえてきたのはバンチョー星人の声ではなかった。そう、其処から聞こえてきたのは番の声だったのだ。
【ってか、これあのバンチョー星人とか抜かしてる野郎の体じゃねぇか! 何で俺があの野郎の体に?】
(ったく、危うくお前をぺしゃんこにしちまう所だったぜ)
【その声、バンチョー星人!】
今度はバンチョー星人の声が頭の中に直接入り込んで来た。益々訳が分からなくなってしまった。
【どう言う事だよ。今の俺どうなってんだよ?】
(どうやらこの星じゃ俺一人の力は本来の力の10パーセントにも満たないらしい。今更で俺も恥ずかしい話なんだが、あいつらをぶちのめす
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