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勇者番長ダイバンチョウ
第1話 番とバンチョウ
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番、貴様は遅刻したのだ! ガタガタ言わずに素直に生徒手帳を出せ」
「そんな物持ってる訳ねぇだろ! 朝急いで来たんだから忘れちまったよ」
「貴様、それでも学生か? 生徒手帳を持って来るのは常識だろうが!」
 目の前で怒号を張り上げる少年にたじたじな番。どうやら番は彼が苦手なようだ。
「な、なぁ……今回だけは見逃してくれないかぁ峰ぇ」
「そんな猫撫で声で頼んだって駄目だ! この【峰守(みね まもる)】の目の黒い内はどんな校則違反も見逃さん! 分かったら大人しく生徒手帳を取って来い!」
「ケチ!」
「何とでも言え!」
 背中を向けてボソリと愚痴る番に対し、冷静に返す。すると、更に大声を番は張り上げた。
「ドケチで堅物でKYで脳みそ年齢55歳で時代遅れで甲斐性無しな峰守!」
「何だと貴様あああああああああああ!」
 番の言葉に激怒した守が鉄柵を飛び越えて番を追いかけようとしだす。が、その直後、今度は守もまた青ざめる。そして、振り返ると、其処には全く別の生徒会員が立っており、不気味な笑みを浮かべていた。
「峰守。生徒会員である貴様がエスケープとは見下げ果てたな」
「い、嫌僕は……」
「言い訳は無用だ。大人しく生徒手帳を出せ!」
「ぐぅ……覚えていろよ。轟番めぇ……」
 愚痴りながらも生徒手帳を差し出す守であった。




     ***




 峰守のせいで学校に入れなかった番は愚痴りながらも家路を歩いていた。
 折角間に合う時間で学校へ向っていたと言うのにヤクザを相手してしまったが為に結局遅刻してしまったのだ。
 その上急いでいた為に生徒手帳を忘れてしまったのでこうして取りに行く羽目となったのだが、正直わざわざ家にまで帰ってから学校に向うのは面倒臭い。だったらこのまま今日は家でのんびりしている方が良いだろう。
 そう思いながらも家が目の前に見えて来た。
「やれやれ、これからどうすっかなぁ? 家に帰ってもやる事何もないからなぁ」
 ブツブツと言いながらも家の中に入ろうと車庫の前を通った。正にその時であった。
【見つけたぞ。お前がこの星のリーダーだな?】
「あん? 何だ!」
 何所からともなく声が聞こえてきた。声のした方を見る。其処には自宅に止められている軽トラしかない。
「まさか、親父の軽トラが喋った……訳ないかぁ! だって軽トラだもんなぁ。きっと空耳だ空耳」
 人が居ないのに声がする筈がない。そんなの常識だ。お馬鹿で定評のある轟でさえそう言う事は理解しているつもりだ。
 そんな訳でさっさと家に入ろうとする。
【こぉらぁ! 俺を無視してんじゃねぇ!】
「ま、また聞こえてきた! 誰だ? 出て来い!」
【出て来て欲しいってんなら出て来てやるぜ!】
 売り言葉に買い言葉を返しあう両者。する
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