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勇者番長ダイバンチョウ
第1話 番とバンチョウ
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なら、その後チンピラCに向かい放たれた木刀の一撃で全てが決まったのだから。
 目の前にはドスを持ちながら泡を吹き、脳天には巨大なたんこぶが出来上がっているチンピラの姿が映っている。そんなチンピラ達を前にしながらも、番は悠然と木刀を締まい、中学生達を見た。
「大丈夫だったか? 中学生」
「は、はい! 有り難う御座います」
「なに、良いって事よ。これからも何か困った事があったらこの町の番長の俺に頼みに来な」
 自信満々に自分を指差す番。そんな番を見て目を輝かせている中学生達。
 だが、その途端、今度は番の顔が真っ青になりだした。
「やべぇ! 良く考えたら俺今遅刻しそうだったんだ! 急がないと本当に遅刻だあああああああ!」
 そんな事を叫びながら番は猛ダッシュで裏道を走り出した。どうやらこの道は番の通う学校の近道ルートだったらしい。しかし、其処を通っていた際に例のカツアゲに遭遇してしまい、そのまま喧嘩をして今に至った。と言う事らしい。
 番も不運と言えば不運であった。




     ***




 宇宙から飛来したその光は現在番町の上空を飛行していた。一般市民からは絶対見えないその光は悠然と町の上を遊覧飛行している。
【噂通りの綺麗な星だな。気に入ったぜ。後はこの星のリーダーに会って……】
 言葉を発していた最中であった。突如その光が徐々に弱まっていくのが見える。その事態に光の主は焦りだした。
【やべぇ、この世界の大気は俺の体に会わねぇみたいだ! どうする? このままじゃ俺消滅しちまうよぉ!】
 オロオロしだしながら下の町に降り立つ。光が降り立ったのは一軒の家であった。
 1階建ての少し古臭い家屋であり、その隣には掘っ立て同然の様な車庫がある。其処には軽トラックが一台と巨大なデコトラックが一台止められていた。
【もうこうなりゃ何でも構わねぇ! これで良いか】
 光はそう言うと、目の前にあった軽トラックの中へと飛び込んでいった。数秒間その光と同じ発光を軽トラックが放っていたが、その発光もやがて収まり、何時もの光景となった。
 その光景を見ていた者は、誰一人として居ない。




     ***




「だからさぁ、さっきも言ってるだろう? 近道をしてたら偶々中学生がカツアゲされてて、それを助けたせいで遅刻しちまったんだよぉ!」
 場面が変わり、此処は番の通う高校の校門前である。その校門には分厚い鉄柵が敷かれてしまい、現在番は学校に入れない状態となっていた。
 そして、そんな番と向かい合うように一人の少年が立っていた。番よりは背丈は小さいが決してガリと言う訳ではない。鋭い眼光に四角い眼鏡を掛けた如何にも堅物な少年であった。
「何度も言わせるな。どんな理由があろうと校則は校則だ。轟
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