第一幕その四
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出人と見て。ふと声をあげたノリーナであった。
「エルネストからじゃない」
「では奥様」
ノリーナよりもまだ小さなメイドは無機質な様子でまた彼女に告げてきたのだった。
「私はこれで」
「ええ。お茶の時間になったらまた御願いね」
「わかりました」
メイドは静かに部屋を後にする。ノリーナは一人になるとすぐにそのエルネストからの手紙を取り出した。そうしてその手紙を読むとだった。
「えっ・・・・・・」
愕然としてしまった。何とそれは。
「別れる、ローマを去るって」
彼女と別れこの街を去ると書いてあったのだ。筆跡は間違いなくエルネストのものである。それを読んで驚かない筈がなかった。
「どういうことなの!?これって」
「奥様」
手紙を読み終えて真っ青になっているとだった。またあのメイドが部屋に入って来たのであった。
「お茶かしら」
「まだです」
お茶かと問われるとこう返すだけだった。
「残念ですが」
「そうなの」
「お客様です」
こう彼女に告げてきたのだった。
「マラテスタさんです」
「丁度いいわ」
彼が部屋に来たと聞いてすぐに安心した顔になるノリーナだった。
「すぐにここにお通しして」
「このお部屋にですね」
「そうよ。すぐにね」
「もう来られています」
こう返すメイドであった。
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