第一幕その二
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った。
「しかも資産家で謙虚でじゃ」
「また随分と望みが高いね」
「わしは目が確かだからじゃ」
だからだというのである。
「そして理想が高いからそうした相手でないと駄目なのじゃよ」
「そうなんだ」
「そういうことじゃ。そしてじゃ」
彼の話は続く。
「若いぴちぴちした娘と結婚してじゃ」
「年甲斐もなくだね」
「子供を一ダースでも作って跡継ぎにしてみようかのう」
「相手がいればいいね」
この時彼は叔父の言葉を全く信じてはいなかった。もう髪の毛も髭も真っ白になっている老人にそんなことができるものかとタカをくくっていたのである。しかしそれはあくまでタカをくくっているだけであった。
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