第二十二話 レイ・テスタロッサ
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本来の役目じゃったらしいの」
それに気がついたのは、ちょっとした疑問があったから。
魔力吸収だけでも強力なのに、どうしてエアを必要としたのか?
なんでエアがあんな形をしているのか?
遼じゃあるまいし、ただ属性攻撃を防ぐだけなら強力な盾を持てばいい。
逆だとしたら?
エアを選んだのに、重要なわけがあったとしたら?
エアの形に意味があるとしたら?
ほとんど、遼の勘であったが、なのはの話を聞いて、確信した。
「まあ、あやつがこれに頼らず、素直に防御方面を上げればよかっただけの話だったのじゃが、何がこやつをそこまで駆り立てたのか、我には分からぬな」
遼はフェイトの方を見る。
そこにはなのはとフェイトの魔法の直撃を受けて気絶し、フェイトに抱かれているレイの姿があった。
(それに転生者って言葉、これも関係してるとするとちょっと厄介かな)
つまり、レイの動機には彼の前世が関わっているかもしれないということ。
それは彼に直接聞かなければわからない。
(けど、多分誰にも話さないだろうな〜、そんなこと言ったら精神病院まっしぐらだもん)
クリムも転生者のことは知らなかった。
となれば最近新たに出てきた何かだろう。
世間にそれが認知されてない以上、病気と判断される。
事件を起こした犯罪者がよく分からない証言をして病院送りなんてよくあることだ。
「しばらく目を覚まさないじゃろうから、今の内に腕を縛るとして、……フェイト、主はどうする?」
どこからか取り出した縄をレイの両手にくくりつけながら、フェイトに尋ねる。
「……私は、これから管理局に自首しようと思います」
「そうか……」
遼はとても寂しく思った。
それはつまり、フェイトは逮捕されるということ。
その身柄は管理局本部の元へ移送され、一般人である遼とはもう会えないかもしれない。
「では、主らとはここで別れじゃな」
「「「え!?」」」
アルフ、なのは、フェイトが驚く。
「何をそんなに驚くことがある? 我は元々ジュエルシードが危険だから集めていただけじゃから、それが終われば自然と別れがこよう」
「で、でも……」
なのはが寂しそうにうつむく。
「なあに、今生の別れではない、それに我もこの街に住む者、機会があれば再び相見えることもあろう」
(まあ、本当は毎日と言っていいほどなのはには会ってるけどね)
心の中で軽く舌を出す遼。
「フェイトとアルフは時間はかかるじゃろうが、会えないということはないじゃろう」
(その時は素顔で会えるといいな)
遼にはまだまだ問題が山積みだった。
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