第十八話 三体と二人
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た言葉で彼女の眼つきが変わった。
絶対に成し遂げなければならない。
その覚悟の持った眼を。
「なんでサーヴァント同士で戦わなくちゃいけないの!?協力し合えば攻略だって今以上に速くなるわ。なのになんで……」
私は少女にそう言葉を投げ掛けた。
サーヴァントという存在は人知を超えた強力な存在だ。
そんな存在がこの世界には七体もいる。
きっと協力すればこのゲームをあっという間に攻略してしまうだろう。
「……私は攻略する気なんてない」
「な……!?」
私は思わず耳を疑った。
攻略する気がない?
このゲームを終わらせるには、百層ものエリアを全て攻略するしかないのに。
「攻略しなくても、聖杯さえあれば全てをやり直せるのだから……」
「何を…言ってるの……?」
私は少女の話す内容が上手く理解する事が出来なかった。
全てをやり直すとはどういう事なのか。
「私はこの聖杯戦争で、最後まで勝ち残ってみせる。そして聖杯でこのゲームごと、全てを無かった事にして皆を救う。私が無くしたものを全て取り返してみせる!!」
絶句した。
聖杯で全てをやり直す?
私はアーチャーを召喚した次の日に監督役の所で、一応聖杯戦争について大まかな説明は聞いていた。
万能の願望機である聖杯を手に入れるための戦い。
確かに、万能の願望機と言うだけあってある程度の願いは聞いてくれるのだと思う。
だけど、彼女の言っている事は不可能としか思えなかった。
彼女は聖杯を使って、このゲームを存在ごと消し去ろうと言うのだ。
そんな事が本当に出来るのか。
正直、一度起こった事をそのまま無かった事にしようだなんて私には理解できない。
誰かを生き返らせようとか、そんなモノとは違い過ぎる。
「……そんなこと……出来るはず―――」
「あの人が教えてくれた。聖杯に不可能は無い。このゲームを無かった事にする事も」
彼女の顔は真剣だった。
このゲーム自体を無かった事にする。
その使命感がありありと伝わってきた。
「だから、私も自分自身で出来る事をやろうと誓った。皆が死んだあの日、絶対聖杯を手に入れてみせるって」
彼女は、私の眼を見つめていた瞳をランサーへと向ける。
「ランサー。宝具を使って二人を倒して」
彼女のその言葉は、私を含めてこの場にいる全員の空気を変えた。
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