3 「★★★★『毒怪竜ギギネブラを追え!』」
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る。
双子はもとからオトモアイルーを雇っていなかった。旧大陸では新大陸と違ってオトモ武具の発達が遅れていて、ずっとドングリネコシリーズで戦うからだ。
大型竜などに次々吹っ飛ばされるアイルー達に比べ、ガチガチに固めた装備でこちらが戦うのが申し訳なさすぎて、また必死になって周りが見えなくなってしまうオトモたちの攻撃(爆弾など)に巻き込まれることもしばしばあるらしく、2人だけのほうが気が楽とのことだった。
そんなわけで、今回ハンター3人には1匹もオトモアイルーがついてきていないというわけだ。
ナギはいつも指定席とばかりに首周りでゴロゴロ喉を鳴らし、うるさいほどにあれやこれやと喋りまくる隠密毛色のメラルーがいないだけで随分寂しいものだと思った。
「気を付けていってらっしゃいませ…」
まだ若いハンターが3人だけだからだろう、グプタ支店のベテラン受付嬢は心配そうに凪達を見送った。
町の門からガウシカぞりにのって凍土までゆく。物珍しさに凪は終始ガウシカの立派な角と周りの景色とを見比べていた。汀はこれからの対ネブラ戦の覚悟(主に気色悪さに対しての)を決め、岬は地図をじっと見ながら何かを考えている。菖蒲はというと、誰よりも防寒装備であるにもかかわらず、風を切って進むソリの上で毛布でぐるぐる巻きになりながら哀れなほどガチガチと震えていた。
人体の影響を考えて1日にホットドリンクは5本までしか飲めないことになっているため通常ハンター達はそれをベースキャンプに着いてから口にするのだが、菖蒲には先に与えることにした。口に含んだ一瞬甘く感じるが、飲めば喉からすぐにカッと燃えるように熱くなるホットドリンクの飲みすぎは、ハンターズギルド付きの研究所の調べによると体にあまり良ろしくないらしい。
ちなみに凪はいつもの着流しと羽織、マフラーを巻いているだけである。双子も流石にそれは防御力に難がありすぎると止めたが、本人は「慣れた服の方がいいから」と言って聞かず、いつも渓流の冬の時期に使っているマフラーだけで参戦しようとしていた。もちろんホットドリンクは持ってきているが、いかにも寒そうな格好ではある。事実、今も凪の頬と鼻の頭は寒さに赤くなっていた。本人はまるで気にしていない様子なのが救いか。
「それじゃあ最初に回るのは予定通り洞窟のエリア4。3を通った方が近いからそれで行くよ、みー。兄さんも、それでいいですか?」
「らじゃー!」
「もちろん。凍土は初めて来たからね。頼りにしてるよ、岬、みー」
「はいっ!」
「みーにおまかせ!」
それぞれ小さな背に似つかわしくない大剣とハンマーを背負った少年少女が駆け出す。その後ろを少し間を開けて大人2人が歩んでいった。悠々と歩いているように見えて、凪の姿に隙は全くない。菖蒲はモンスターの跋扈する狩場に
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