第二幕その十
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じゃ、ノリーナじゃ」
まさか本人が目の前にいるとは夢にも思っていないパスクワーレだった。
「ノリーナと結婚させる。御前は屋敷を出て行け」
「ええ、そうさせてもらうわ」
ノリーナはわざと不愉快に満ちた声で述べてみせた。
「あの女は大嫌いだから」
「何っ、知り合いじゃったのか」
「そうよ。もう昔から大嫌いなのよ」
忌々しげな顔にもなっていた。
「あの女と同じ屋根の下で暮らすなんて考えただけでもぞっとするわ」
「では話は早い」
パスクワーレはそれを聞いてあらためて言った。
「この屋敷を出て行くのじゃ」
「言われないでもそうしてやるわよ」
「よし。それではじゃ」
パスクワーレは満足した顔でその言葉を受けた。そうして、であった。
「エルネスト、いるか?」
「叔父さん、現場を押さえたんだね」
少し離れた場所からこう叔父に問う声がしてきた。
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