戦う理由 @
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晟成は自分が思い違いをしていた事が分かった。ここまで案内されてきた建物はどれも地元にあるものばかりだった。大都会で暮らすものと思っていた晟成は、地元と変わらない生活をおくれることに安堵した。
「後案内してない所は……『銀行』か?」
「晟やん、口座は何処でつくってんの?」
「ん? 確か『ぶとうヶ丘銀行』だったけな〜……」
「それなら此処の近所にあるにゃ〜。俺もちょうど金おろしたかったし、案内するぜよ〜」
「おぅ、頼むぜ」
残っていたサンドイッチのかけらを口にほうり込み、四人は再び歩き始めた。銀行へ向かうその間も彼等は楽しく会話していた。誕生日は何時だの、好きな女性のタイプは何だの、とりとめの無い会話ばかりだった。
「やっぱり最強の属性は『義妹』ぜよ! 晟やんもそう思うだろう!?」
「何を言うとるん!? ロリこそ至高やろぉが! なぁ、晟やん!」
「………えぇと……俺、純愛タイプで好きになった人がタイプだから…」
「何スマシとんの! 晟やんも好きなんやろ、メイド服! 恥ずかしがらずに言ってみ!」
「妖精と見間違える愛らしさを誇る少女を想像してみぃ! 脳内オーバーヘブンやろ!」
「……当麻、無視していい?」
「あぁ、賢明な判断だ」
内二人が変なベクトルに走ったせいか、途中で会話がおかしな事になったが、晟成と上条は二人を無視して会話を続けた。
「そういえばずっと気になってたんだけど……」
「ん?」
ふと、上条が道中晟成に尋ねた。
「晟成って……『何の能力』を持っているんだ?」
その質問に「あぁ、まだ言ってなかったっけ…」と晟成は返した。話を聞いていたのか、フェチ口論をしていた変態二人も会話に加わってきた。
「それは俺も気になってたぜよ。『世界第二位』の原石様の能力、いったい何かにゃ〜…?」
「確か『Level5』に一人いたなぁ、確か。そいつが『世界最大の原石』って呼ばれてるんやから、晟やんって少なくとも『Level4』ぐらいの能力持ちってこと?」
「………ぁぁ、ん……」
晟成はどう返答すればいいか頭をひねらせた。
自分の能力は、学園都市の能力者のものとかなり性質が違う。それに……
「(あんまし喋るなって言われてるしな……)」
晟成は学園都市(ここ)に来る前、SPW財団の人間に注意されていた。
◆ ◆ ◆
「晟成君。君は一応は『原石の能力者』として転校することになっているが、実際君の力は原石のそれとは訳が違う。不必要に能力のことは話さないほうがいい……よけいなトラブルを背負いたくはないだろう……」
◆ ◆ ◆
「(ん〜……まぁ、でも…
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