第74話 後始末
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同じ頃に、コーネフ中将の軍法会議も結審していた。
「コーネフ中将を不名誉除隊と処す」
只此だけであり、百万人の犠牲者に対する詫びもなくひっそりと市井に消えていった。
宇宙暦795年7月
■自由惑星同盟 首都星ハイネセン 最高評議会ビル ジョアン・レベロ
この国には選挙というシステムがある、専制政治の帝国と違い市民の意見を須く拾い上げる事が民主主義のモットーであると私も思うが、昨今の選挙は嘗ての銀河連邦の最末期に於ける衆愚政治になりつつ有り、考慮すべき用件が多すぎる。
選挙民は自らの権利を行使せずに、投票率は軒並み50%を下回る状態で、堅実な主張より、勇ましい主張を言う主戦派や軍産産業の紐付き政治屋や、タレント議員が当選するという体たらくだ。今回の選挙も、帝国軍を追い返し、犠牲がないにも係わらず、追撃しない事に文句を言い、我々を誹謗中傷する事しかしない、マスコミの多い事か、此では議長や国防委員長が勇ましい主張をせざるを得なくなる訳だ。
今回の補欠選挙で、アンダーソン議長の椅子は辛うじて確保できたが、主戦派に押されたロイヤル・サンフォード、コーネリア・ウィンザーも評議会議員へ返り咲きをした事は、由々しき事だ。しかもヨブ・トリューニヒトが国防委員長の椅子を狙い、現職のカスター国防委員長を副議長へ推薦するという、褒め殺し戦法まで行ったのだから。
カスター委員長は各評議員の推薦を受け、表向きで見れば、No2への昇格である為に断る事も出来ずに、副議長兼国務委員長に就任する事と成った。
私や、ホアン、アンダーソン議長、そしてシトレなどで話し合った結果、私或いはホアンを国防委員長に就任させる事が、一番だと結論が出たが、自分の事をよく判るから言えるが、例えシトレの後押しがあろうとも、私では主戦派などの頭を押さえつける事は無理だと考え、“頭髪が更に薄くなる”とぼやくホアンに、国防委員長就任を頼み込んだ。
トリューニヒトには、意趣返しで、ホアンの前職、人的資源委員長に就任させる事とした。ざまあみろ、威勢よく宣伝しているが、実際の人的資源の枯渇に悩みやがれ、そして禿げろ!
いかんいかん、どうも最近過激になって来たようだ、此もやはりあの娘の仕業か。
取りあえずは、同盟の国力の増進を図って、少しでも帝国を抜けるようにせねばならないな。
帝国暦486年7月
■銀河帝国オーディン
同盟政府の新陣容が固まりつつある中、銀河帝国においても、皇太子ルードヴィヒの死により、後継者争いの火種が燻り始め、ブラウンシュバイク公爵、リッテンハイム侯爵、リヒテンラーデ侯爵の三者による次期皇太子のさや当てが水面下で始まっていた。
各陣営とも、因り有力な同盟者を求めて、種々の駆け引きを行い、外
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