暁 〜小説投稿サイト〜
IS 〜インフィニット・ストラトス〜 日常を奪い去られた少年
第03話
[8/11]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
度、お前がクロス・グリットターンを使い始めたとき辺りだな。操縦が滑らかにならなかったか?」

「そういえば……」

ISが自分の体のように感じたな。今思えば、機動力で劣る黒天慟なのに、あの後距離を詰められなかったな……。前半はどうしても距離を詰められてたのに。

「しかし……」

千冬は少し呆れ気味に言った。

「良くも、初操縦でクロス・グリットターンを使う気になったな」

「ははは……距離を保ちながら攻撃できる方法が、あれしか思いつかなかったんで」

「まぁ、選択としては間違っていなかったがな」

「でも、負けましたけどね」

「……お前は勝つ気でいたのか?」

「やるからには勝ちたいですよ」

それに、ISに乗って分かった。俺、この分野では負けたくない。そう思った。

「IS操縦の熟練度は起動時間に比例する。それはお前も良く分かっているだろう?最初から、勝負は決まっているような状態だ。その状態で勝とうとするのは、無理に近い」

「でも、それでも勝ちたかった」

俊吾はそう言い切った。敬語も外れている。

「…………」

俊吾の言葉を聞いて、千冬は何も言わなかった。呆れたような、それでいて嬉しそうな。そんな顔をしていた。

「……まぁ、今回の試合については以上だ。それでだ、大海」

千冬は俊吾の目を見て言った。

「お前は強くなりたいか?」

その質問の意図が何であるか、俊吾は知らない。だが、思ったことをそのまま言った。

「はい、強くなりたいです」

その言葉は予想通りだったのか、千冬は微笑んだ。

「そうか…………。ならば、励めよ若人」

千冬はそう言って、保健室から出ていった。

「あの質問、どういう意味なんだろう。つか…………すごく……眠い…………」

急激にくる眠気に、やっぱり疲れてたんだな、と思い直す俊吾。だけど、これも悪くない。

そう思い、意識を手放した。

◇   ◆   ◇   ◆

突如、目を覚ます。目の前は真っ暗だ。

「…………今、何時だ?」

枕元の携帯を取ろうとするが、中々取れない。そして、その途中で気づいた。

「あ、ここ保健室だ」

俊吾は、時間を確認するかこのまま寝てしまうかで迷った。だが、喉が渇いていたので起き上がって時間を確認することに決めた。

「……あ、そいや水道とかってどこだ?」

暗くて良く分からない。取り敢えず、夜中なんだろうが電気をつけるのも面倒くさい。という訳で。

「寝るか。別に一晩くらい飲み物飲まなくても死にはしない」

俊吾は、ベットに戻った。

―――カツン カツン カツン

すると、廊下の方から足音が聞こえた。おそらく、警備の人なのだろうが
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ