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IS 〜インフィニット・ストラトス〜 日常を奪い去られた少年
第03話
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度、お前がクロス・グリットターンを使い始めたとき辺りだな。操縦が滑らかにならなかったか?」
「そういえば……」
ISが自分の体のように感じたな。今思えば、機動力で劣る黒天慟なのに、あの後距離を詰められなかったな……。前半はどうしても距離を詰められてたのに。
「しかし……」
千冬は少し呆れ気味に言った。
「良くも、初操縦でクロス・グリットターンを使う気になったな」
「ははは……距離を保ちながら攻撃できる方法が、あれしか思いつかなかったんで」
「まぁ、選択としては間違っていなかったがな」
「でも、負けましたけどね」
「……お前は勝つ気でいたのか?」
「やるからには勝ちたいですよ」
それに、ISに乗って分かった。俺、この分野では負けたくない。そう思った。
「IS操縦の熟練度は起動時間に比例する。それはお前も良く分かっているだろう?最初から、勝負は決まっているような状態だ。その状態で勝とうとするのは、無理に近い」
「でも、それでも勝ちたかった」
俊吾はそう言い切った。敬語も外れている。
「…………」
俊吾の言葉を聞いて、千冬は何も言わなかった。呆れたような、それでいて嬉しそうな。そんな顔をしていた。
「……まぁ、今回の試合については以上だ。それでだ、大海」
千冬は俊吾の目を見て言った。
「お前は強くなりたいか?」
その質問の意図が何であるか、俊吾は知らない。だが、思ったことをそのまま言った。
「はい、強くなりたいです」
その言葉は予想通りだったのか、千冬は微笑んだ。
「そうか…………。ならば、励めよ若人」
千冬はそう言って、保健室から出ていった。
「あの質問、どういう意味なんだろう。つか…………すごく……眠い…………」
急激にくる眠気に、やっぱり疲れてたんだな、と思い直す俊吾。だけど、これも悪くない。
そう思い、意識を手放した。
◇ ◆ ◇ ◆
突如、目を覚ます。目の前は真っ暗だ。
「…………今、何時だ?」
枕元の携帯を取ろうとするが、中々取れない。そして、その途中で気づいた。
「あ、ここ保健室だ」
俊吾は、時間を確認するかこのまま寝てしまうかで迷った。だが、喉が渇いていたので起き上がって時間を確認することに決めた。
「……あ、そいや水道とかってどこだ?」
暗くて良く分からない。取り敢えず、夜中なんだろうが電気をつけるのも面倒くさい。という訳で。
「寝るか。別に一晩くらい飲み物飲まなくても死にはしない」
俊吾は、ベットに戻った。
―――カツン カツン カツン
すると、廊下の方から足音が聞こえた。おそらく、警備の人なのだろうが
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