第一幕その一
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「のうエルネスト」
「何だい叔父さん」
「この前の話じゃがな」
まずはこう切り出すのであった。
「考えてくれたか」
「あの話はいいよ」
彼は顔を顰めさせて叔父に言葉を返した。
「あれはね。断ったじゃないか」
「しかしじゃ」
パスクワーレはその甥エルネストの今の返事を聞いて顔を顰めさせて言うのであった。
「いい話じゃろうが」
「縁談なんて」
しかし彼はまだこう言って断った。
「僕にはいいよ」
「何を言うか。御前もいい歳じゃぞ」
パスクワーレもパスクワーレで言う。
「それを考えたらじゃ」
「結婚しろって?」
「御前はわしのたった一人の肉親じゃ」
こうも彼に話した。
「妻にも先立たれ子供もいないわしじゃ。御前だけじゃぞ」
「それはそうだけれど」
「ならわかるな」
あらためて甥に問う。
「早く結婚するのじゃ。相手はわしが決めてやる」
「だからいいって」
エルネストは顔を顰めさせて叔父に向かい合って言葉を返した。
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