第5章 契約
第70話 王の墓所
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外の更に凶悪な神々が眠りの淵より目を覚まし、この世を混沌に沈めている可能性が有るのです。
伝承や忌まわしい書物に記載されている内容に因ると、ヤツが目を覚ます時には、それ以外の巨大な存在が既に目を覚ましている、と言う部分が存在して居るのですから。
それにヤツ……首なしの魔物に取っては、この場での俺や湖の乙女との戦いの勝利に、何の意味も持ちはしないのですから……。
しかし……。
「忘れたのか、体現された悪意よ」
一言ずつ区切るように、ゆっくりと、無様な姿を晒しながら走り去ろうとするヤツの背中に言葉を発する俺。
その俺の霊気の高まりに反応するかのように輝きを増す七星の宝刀。
いや、最早この刀は単なる七星の宝刀にあらず。湖の乙女と同期していない状態。つまり、現状の俺の能力でも扱えるレベルにまでスケールダウンさせては居ますが、それでもこれはケルトの至宝、不敗の剣クラウ・ソラス。
この程度の邪神を屠る事など造作も有りません。
「ここから出て行く事は出来ない。何故ならば――――」
悪意の体現イゴーロナクの身体が、無様に揺れ動いた。
まるで最後の悪あがきの如く、巨大なレンガ造りの壁へとその身体を突進させたのだ。
しかし!
紅い彩を付け足しながらも、しかし、それでも僅かながらも緩む事もなく、その場に存在する堅牢なるレンガ造りの壁。
ここの扉は伝承通り、ヤツか、それとも俺たちか。どちらかが、この戦いに勝利するまで絶対に開く事はない。
そう言う類の呪に支配された空間と成って居ましたから。このオルレアン公が葬られた玄室内は。
「神話に語られる邪神どもが世界を支配するまで――――」
水の邪神が瑠璃の城から立ち上がる日を。
森の黒山羊が古の眠りより目覚める時を。
湖の住人が、迷宮の神が、ヴェールを与えるものが現実に現れるその日が訪れるまで。
ヤツらが、永劫の寂寞の中より歩み出でて、再び、この世を闊歩する日が訪れるその時まで……。
「この地に眠れ」
聖なる祈りにも似た言葉が呟かれた後、無造作に振り降ろされる光の剣。
その瞬間、放たれる光の奔流が、再び扉へと体当たりを行おうとした首なしの魔物。悪意の体現イゴーロナクを呑み込み――――
次の瞬間、さらさらと、さらさらと砂のように成って崩れて行く邪神。
そして、すべての妄執が砂と共に崩れ落ち、紅き屍衣がふわりと玄室の床に舞い降りた瞬間――――
世界は現実の理が支配する通常の世界へと、再びその相を移行させていたのでした。
☆★☆★☆
「オルレアン公の死体に首が存在しない、と言う事は……」
荒らされた玄室を清め、失われた大公の亡骸の代わりに、紅き屍衣
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