第三十話「白黒といったらオセロだよね?」
[3/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
…? 僕たちの力は、聖剣を越えたよ……」
「……零時二十八分。時間通り」
何かを呟く男。
聖剣を砕いた勢いを殺さず、そのまま木場は男の胴を薙ぎ払った。
† † †
やった……木場の奴やりやがった! エクスカリバーを砕いたんだっ!
思わずガッツポーズをする俺。
ハルバーが唇を戦慄かせて呟いた。
「せ、聖魔剣……? ば、バカな……ありえん。相反する聖と魔が混合するだと……」
バルパーガリレイの顔は信じられないモノを見たような顔で木場の剣に視線を向けている。
そうだ、まだ終わっちゃいない。コイツと、そしてあのコカビエルを倒さない限り俺たちに明日は無いんだ。
何かに気がついたのか、バルパーの目がくわっと見開いた。
「そ、そうか……わかったぞ! 相反する二つの要素が混じり合うにはこれしかない! すなわち、魔王だけでなく神も――」
ズン――!
何かを言い掛けたバルパーだが、そんなジジイの胸元を一条の光が貫いた。
吐血するバルパー。倒れ伏すジジイの元に駆け付けた木場がヤツの脈をみるが、首を振った。
光の槍を打ち出した張本人である男――コカビエルはそんなバルパーを見下ろして嘲笑っていた。
「そこに気が付くのは優秀な証拠だ。誇るがいい、この俺に殺されるのだから。まあ俺は最初から一人でも問題なかったが」
こいつ、最初っから見放すつもりで――。
コカビエルは地面に降り立ち俺に視線を向けてきた。
「おい、赤龍帝の小僧。限界まで力を溜めて誰かに譲渡しろ」
「私たちにチャンスを与えるつもり?」
「チャンス? いいや、これはハンデだ。俺とお前たちの力の差など歴然。こうでもしないと俺が楽しめないからな」
決して負けることは無いと確信しているコカビエル。確かにその言動は何とも言えない説得力があった。
――って、駄目だ駄目だ! 俺がこんなんじゃ!
頭を振って弱気を振り切る。そうだ、こいつがどんなに強く偉い堕天使でもそんなの関係ない。こいつを倒して明日を迎えるんだ!
部長に視線を向けると頷きが返ってきた。
「……イッセー、ブーステッド・ギアを」
『Boost!!』
部長の言葉に神器が応える。
それから三分に渡り倍加を続けた。
その間、眷属の皆は誰も動けなかった。
奴はただ立っているだけ、それだけで俺たちに尋常じゃないプレッシャーを与え
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ