第三十話「白黒といったらオセロだよね?」
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った! 正面に回り込んだ木場が突きを繰り出す!
男の右手が残像を引き、周囲に生えた魔剣を粉々に斬り砕く。しかし回避に間に合わなかったのか、首を傾けて突きを避けた男のフードが僅かに切り裂かれた。
「そうだ、そのままにしておけよ」
横からゼノヴィアも参戦した。右手を宙に掲げ何やら呟いている。
「……御名において、我は解放する。――デュランダル!」
デュランダル!? 俺でも聞いたことあるぞ、その名前! エクスカリバーに匹敵するほど超有名な聖剣じゃん!
「デュランダルだと!?」
「貴様、エクスカリバーの使い手ではなかったのか!」
バルパーばかりかコカビエルまでもが驚いているようだった。皆の度肝を抜いた当の本人はしれっと口にする。
「生憎、私はエクスカリバーの使い手も兼任していたに過ぎない。本命はデュランダルの使い手だよ」
バルパーのジジイが唾を飛ばして何やら喚いている。それをつまらなそうに聞いていたゼノヴィアは欠伸交じりに呟いた。
「よく喋る口だな。今からこのデュランダルでその口が二度と開かないようにしてやる。この聖剣は破壊力だけは既存の聖剣の中でもぴか一でね、少々私も手を焼いているんだ。故に異空間に保管しなければならない破目になったが……まあ、それはいい」
そんな危険なもんなんですか! 大丈夫なのソレ!?
当の本人である教会娘は何でもないように手の中の聖剣を弄んでいる。左手にエクスカリバー、右手にデュランダルを構えたゼノヴィアは楽しそうに口角を吊り上げた。
「さあ、エクスカリバー対デュランダルの頂上決戦だ。感謝するぞバルパーガリレイ。こんな機会滅多にないからな」
ゼノヴィアの持つデュランダルから神々しいオーラが立ち上って来た。うう、こんなに離れてるのに背筋がぞくぞくするよ……。
「では、いくぞ!」
木場ほどではないが迅速な踏み込みで男の間合いに入ったゼノヴィアはその聖剣を一閃させる。
聖剣を掲げて防ぐ男だが、脆い音を響かせて砕け散った。透明化していたエクスカリバーがその姿を現す。
余波でグラウンドの一部が大きく抉れた。
「つまらん……所詮は折れた破片をかき集めた紛い物か。このデュランダルの相手にもならない」
つまらなそうに一瞥するゼノヴィア。い、一撃ってどんだけですか……。
無防備になった男の懐に木場が潜りこむ。
「これで決める!」
弧を描く白と黒の刀身が男のエクスカリバーと衝突し――パキィィィンッ、という金属音が鳴り響いた。
エクスカリバーを砕いた音だ。
「見てくれていたかい…
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