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MASTER GEAR 〜転生すると伝説のエースパイロット!?〜
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ン少将……いや、ここではニノマエ・ハジメと呼ぶべきか。彼の様子はどうだった?』
「私が見た限り特に問題はないかと。本人に気づかれないよう、会話に混ぜて略式のカウンセリングをしてみましたが、精神状態は極めて安定。やはり同年代の学生達と行動を共にしているのが大きいかと」
『なるほど。……「イレブン少将」は確かに我が国の英雄だが、今の彼「ニノマエ・ハジメ」は記憶を失った十五の少年だ。できることならしばらくの間、こうして学生の生活を送らせてやりたいものだ。……世間に「イレブン・ブレット少将」の名前が公表されれば、命を懸けたゴーレム撃退の任務が絶え間なく彼の元に舞い込んでくるだろうからな。せめて今だけは……』
モニターの中のコロネル大佐が悔いるような表情で言葉を漏らす。
ベット・オレイユでは十五歳は立派な成人と認められているのだが、それでもコロネル大佐から見ればハジメはまだ少年だ。いくらマスターギアという強力な力を持っているとはいえ、たった一人の少年にゴーレムとの戦いを全て任せるというのは、幼少の頃から軍人であった祖父に「正しい軍人の矜持」を教えられたコロネル大佐にとって認め難いものだった。
「コロネル大佐。それで、イレブン少将が正式に公表されるのはいつ頃になるのですか?」
『分からん。上層部は大体的にイレブン少将を公表したいらしいからな。上位のゴーレムを撃退した時、それが叶わないなら先日のような戦いをいくつかこなした後に公表する予定だそうだ』
「………………イレブン・ブレット少将だと認められてもそうでなくても結局ハジメさんは戦うのですね」
コロネル大佐の言葉にファムは、普段の彼女には似つかわしくない悲痛な表情を浮かべる。
『そうだ。……軍人とはそういうものだ。そしてこれは彼自身が選んだ道でもある。……ルナール少尉。貴官には専門医としてだけでなく先輩、友人としてもニノマエ・ハジメの支えとなってほしい。これは命令であると同時に私個人の頼みでもある』
「はっ!」
コロネル大佐からの命令にファムはベット・オレイユ流の敬礼をして答えた。
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