本編 第一部
二章 「恋と危険は何故か似ている」
第六話「影が迫る」
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―――ヴァチカン、ローマ法王庁
「では、確認されたのですね?」
「はい、聖書のヨブ記においてベヒモットと呼ばれ、有史以前にいた怪物バハムート、その霊的磁場を探知しました」
「しかし、この報告書にはその少女はまだ16歳だというではないですか」
「われわれ、イリアステルは、この少女をわずか一歳のころから、監視していました」
「そして今日、わたしたち、バチカンと各地の協力を支援している他宗教もしくは土着信仰のリーダーたちが、われわれと意見をおなじくし、「悪魔」の可能性のある存在として登録されました」
「だが聖書にはベヒモットは主がつくりし獣、人の驕りを打ち砕く者とされている。なあ、友よ。あの怪物が世に現れたということは、我々の驕りを主はお怒りになっているということではないか」
「ならば審判の日も近いということです。ですが私たちはもしそれが本当に事実だとしてもあの存在の言葉を聴かなければなりません」
「では、エクソシストを日本に差し向けるのだな?」
「はい」
「して誰を任命する」
「ガブレ・アモス神父に任せようと思っております」
「うむ、あの者以外に考えられまい、よろしい。すぐに準備せよ、日本の首脳に連絡するのだ」
「それだけで大丈夫か?法王よ」
そこには一人の少女がその目は少女のそれではなくどこか神秘的だ。
「おまえは・・・・・・」
「おれか?まあ、名前ならおまえたちはいろんな名をつけているが、さて、きさまは俺をなんと呼ぶかな?」
「きさま、どこから入った?ただの少女ではあるまい?」
「まあな、しばしこの子供の体を借りている、安心しろ、自分の憑り代に手荒なことはしない」
「私に何の様だ。今はおまえが何者かは問わん、おまえの用事をいえ、こうやって法王庁に入るからには、なにか告げるためにきたのだろう?」
「あれは、少し荒ぶっている。ずっとこの世を支えてきた存在が、こうやって世にでてきたのだ。もうすぐおまえら人類は、禁じられた力の片鱗を手にする。それはもうすぐそこまで来ている」
「禁じられた?なにをいっているのだ」
「分からないか?」
「それは海のそこにある、ある箱に収められている」
「まさか聖櫃か?」
「ある調査団がそれを発掘したらしい噂は聞いている」
「運命とは奇なるかな?あの箱は聖櫃などではないよ。あれは門だ」
「門?」
「大方、トレジャーハンターが宝物だと勘違いしてほりあてたのだろうが、それで海の聖獣は怒り狂っている、同様にベヒモスも」
「わからぬ、それをあけるとどうなる」
「きさまらが思っているような代物ではないのだ。あれがこの世の理をこの宇宙の構造をひっくり返さぬように神が仕掛けた封印なのだ、あれこそがまさしく神と対する者たちの棺だ。仕掛けはある一定以上の彼の者を封じ込められる、がそれを少しでも超え
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