本編 第一部
一章 「出会いはいつも唐突に」
第三話「悪夢」
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を忘れて走って帰ったので、母がクリーニングに出していたのだ。だが雨の中を走ってたのは俺だけじゃなかったあいつもだ。豊村伊佐やつも傘を忘れたらしくうれしそうに雨に打たれながら帰っていた。んで偶然同じ帰宅路だということに気づいた俺たちは一緒に雨の中を走ってた。あいつのYシャツがぬれてブラが見えてたりしたが。
まったく気にしないのでこっちはだまって目の保養にしていた。
雨にぬれた前髪が顔にたれていて頬は、みずみずしく水滴をしたたらせていた。
でもあいつはぜんぜん気にしてなくていつものようにからっとしているのでその笑顔がまぶしかった。
あいつは笑ったときが一番いい。こっちの気分まで明るくなる。
さて服を着た俺はふと、時計を見る。6;09だ。
我ながら馬鹿に早く目が覚めた。俺は夢のことをまだ恐怖してたが必死であれはなんだったのか考えてた。まあ、夢なんだからなんだったのか考えたってしょうがないのだがそこはまあ寝ぼけていたのだ。
そして珍しく父と朝ごはんを食べる。
「母さん、今日も朝ごはん、サイコーだね!」といったのは父だ。それに顔中が、にやけまくって照れる母さん。母さんはけっこう美人のほうである。意思が強い人でそれが顔にでている。この大柄でいつもスマイルなスポーツカットの外人の父がこんなふうなのは、母さんの意志の強い美人な顔がほかほかとまるくなっていい笑顔になるのをみたいがためらしい。
「オー、賢治、母さんのスマイルはいつでもサイコーだよな。賢治はそういう彼女はいないの?ネ、賢治ならもういるでしょーそーゆー人!」
「父ちゃん、朝っぱらかやめてくれよ。テンションに困るよ。こっちはものすごい夢みてぐったりなんだから」
「あら、賢治。今日は馬鹿に早いと思ったら。夢精でもしたの?」
「おう、母さん、賢治はむずかしー年頃ネ、さらっとそんなこと聞いちゃダメね。もしほんとにしてたら返す言葉に困っちゃおよ、いたたまれないよ」
「してねーよ!人の話聞け、金髪外国人!」
「おう、金髪は賢治も一緒ね、人のこといえないね」
「あーもういい!あ、そうだ、なあ父さん、あのさ」
「ん?なんだい、思春期の悩み?」
「そのテーマからさっさと離れろ!なあ、ほら昔にすっごい大きな怪物の出てくる物語読んでくれたろ、あれなんて題名だっけ、ほらインドのほうの有名な奴」
「賢治、もしかしてアラビアンナイトの事?けっこう昔だったから。賢治もう忘れてると思ってたよ」
「あーそれだそれ、でほら、女の子があまりの大きさに気絶しちゃう怪物の名前ってなんだっけ」
「賢治それ女の子と違うよ、たしかに女の子っぽい名前だけどあれはイエス様のことだよ?」
「あれ?そうだっけいや女の子の名前じゃなくて怪物のほう」
「ああ、バハムートのこと?賢治もしかしてバハムートの夢を見たの?」
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