第十四話 各々の主義
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ニットを不意打つかのように取り出し、ウインチマシンガンで敵を貫く。そして動きを止めた機体に狙いを絞り、ビームライフルで貫いていた。
マーレやショーン、デイルも新しい装備をうまく使いこなしながら敵を屠る。マーレの持つ武装の火力は高く、連続して発射されるミサイル群に回避に専念せざる得ないオーブ軍。ショーンやデイルはそれらの機体を狙い、動きが縛られた敵から撃ち抜いて、或いはナギナタで切り裂いていく。
「ええい、何やってるんだよ!?あれだけしかいない部隊にどうしてああも苦戦するんだ!?」
「畏れながら、敵は空母四隻を落としたことのある実績を持つ相手です。あっさりとこちらが勝てるということはないでしょうな」
ユウナは癇癪を起すように叫びながら、トダカ一佐はそれを諌めるように反論する。政治家としては有能なのは確かだが、軍人としては及第点以下だ。こちらがやられるのを認められず、敵が墜とされないことに納得がいかない。
完璧主義といえば聞こえがいいが、ただ単に目の前の釣り合いが取れてないことにいら立ってるだけの状態だった。実際にミネルバを相手に正面から戦おうなどとは考えてない。引き寄せるだけ引き寄せ、こちらの被害を最小限に留めながら連合のご自慢の部隊に相手をしてもらう。トダカ一佐はそう考えていた。しかし、
「MS隊を全機発進させろ!」
「なッ!?」
「ああもう、どんくさいな!全機発進させろって言ってるのが分からないのか!?」
「し、しかし、ユウナ様!それではこちらの被害が!」
「被害が大きくなるって?わかってないな、こっちは敵が艦隊に取り付いてきたらおしまいなんだぞ!だったら早いとこ出せる機体は全部出して叩き落とした方が良いにきまってるだろ!!それにな、この戦いは連合が後ろで見てるんだ!本当にお前等は何も分かっちゃいない。これはな、一種のパフォーマンスなんだよ!我が軍はこれだけの力を持ってるって証明するための!!」
ユウナにとってこれは政治的なアピール手段なのだ。自分が空母に乗り込んだことも、作戦名を考えたことも、先陣を切ることを了承したのも、総てオーブという国の存在を知らしめるためにだ。
ただミネルバを落としに来て、後ろの連合のお膳立てをしましたでは意味がない。それでは後々も便利屋扱いされてしまうに違いないのだから。だからこそ、自分達だけでこれだけの力を持っているとアピールしなければならない。
大きな力を見せることは余計に便利屋として扱われる可能性もある。しかし、それが使いづらい相手だと或いは切るべきタイミングを計る札だと思わせればそれもなくなる。ユウナは自分では連合の政治に対応しきれないと思っているが、海千山千の政治を乗り越えた父ウナトならそれも可能だろうと。
だからここで力を見せる。弱いことを見せたらずっと
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