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MASTER GEAR 〜転生すると伝説のエースパイロット!?〜
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じくらいの高さで、真ん中はまったく高さがなかった。

「これは?」

「これは機体のエネルギーを示すグラフです。左のグラフが貴方のサイコウェーブを転換したエネルギーを示していて、真ん中のが機体のエネルギージェネレイターが発生させたエネルギーを、右のがそれらを合わせたエネルギーを示しています。アンダーギアにはパイロットのサイコウェーブの強さに応じて、不足分のエネルギーをエネルギージェネレイターが発生させるシステムがあるのですが、貴方の場合は必要ありませんでしたね」

 今この機体はハジメの思念波だけで必要なエネルギーの全てを賄っている。その事を上級生の女性から聞いたハジメは首を傾げて質問をする。

「あの……これってやっぱり凄いことなんですか?」

「ええ。普通の学生……いえ、軍人でも動かすのに必要なエネルギーの二割か三割しか出せません。ですから強力な思念波を放ち、アンダーギアのエネルギージェネレイター兼コントロールシステムとなり得るサイコヘルムはとても貴重なのです」

「そうなんですか」

「はい。では機体を動かしてみましょう。サイコヘルムである貴方の思念波でしたら『動け』と念じれば機体がそれに従ってくれます」

「分かりました」

 上級生の女性に言われてハジメは、サイクロプスを動かすように頭の中で機体が歩くイメージを浮かべる。

 ガシャン! ガシャン! ガシャン!

 ハジメのイメージを受け取った訓練機が歩きだす。その動きは先に動いていたどの機体よりもスムーズで学生達は口々に「凄い」と言葉を漏らし、教師は「流石はサイコヘルムだな」と感心して頷く。だが動かしている当の本人のハジメはというと……、

 ガシャン! ガシャン! ガシャン!

「………………………………………………………」

 訓練機を動かしながら物凄く退屈そうな顔をしていた。

「あの……? どうしたのですか? 凄く退屈そうな顔をしていますけど?」

 先程まで感動で表情を輝かせていたのに、今はつまらなそうにしているハジメを見て上級生の女性がたずねる。

「いえ……。ただちょっと、せっかくレバーとか機器があるアンダーギアのコックピットに入れたのに、ただ『動け』って思うだけなんてつまらないなと思って……」

 前世の世界にいた時からロボットアニメファンだったハジメは、自分の手で巨大ロボットを操ることにちょっとした憧れを抱いていた。だからこの授業ではアニメのパイロットほどではなくても自分の手で訓練機を操縦できると期待していたのだが、期待していた分だけ落胆も大きかった。

「……その、でしたら今からでも手動で動かしてみますか?」

「っ! いいんですか?」

「ええ。では私が言う通りに操作してくださいね」


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