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戦国異伝
第百三十三話 小豆袋その十
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「そういえば政の時でも」
「そうじゃな、その方が退きにはよいやもな」
 後詰、それを務めるにはというのだ。
「かえって兵が動いてな」
「敵を止めますか」
「後詰は三千じゃ」
 兵達も命を捨てるつもりのない者達だけが残っている、そうした意味でも命知らずの者達ばかりということである。
「その三千で朝倉と浅井の合わせて三万を防ぎ逃げるか」
「少し見ものではありますな」
「それで猿がどういった者かもわかる」
 そこまの戦だというのだ、羽柴にとってこの退きは。
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