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MASTER GEAR 〜転生すると伝説のエースパイロット!?〜
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 士官学校ソヴァール・イコール。

 救世主の学園、という意味の名前をつけられたこの学校は、ベット・オレイユで成人とされる十五歳から入学できる。

 成人年齢が十五歳というのは地球の常識からすれば若すぎるように思えるが、これはベット・オレイユ人口の八割を占めるシメールが遺伝子調整をされた人種で成長が早いことと、過去のこの星が劣悪な環境で大量の若い労働力を必要としたことが関係していた。

 ソヴァール・イコールに入学した学生は四年間に及ぶカリキュラムを修了して卒業した後、士官候補生として一年間軍に従軍し、計五年の期間を経て正式な士官軍人として認められる。

「……そして私がこの学校の軍医コースに入学したのは十五歳の時で、つまり今の私はピッチピチの二十歳ジャストなのです。……分かりましたか? ハジメさん?」

「は、はい……」

 空中での戦闘で百体のゴーレムを撃退した次の日。ソヴァール・イコールの校舎にある教室の一つの前でファムが説明をしてハジメが相づちをうつ。会話を聞くだけなら普段通りに話をしているように聞こえるのだが実際に二人の顔を見てみると、ハジメは顔を真っ青にして冷や汗を滝のように流しており、ファムは口こそ笑っているが目は全く笑っておらず尻尾を逆立てている。

 誰から見てもファムが激怒しているのは明白で、ハジメは彼女の後ろに何か恐ろしい“獣”の姿を見た気がした。

 何故ファムがこんなに怒っているのかというと、今から数分前にハジメがふとした好奇心で「ファムさんっていくつなんですか? 士官学校を卒業したのだったら僕よりもずっと歳上なんですか?」という内容の、女性の前では決して口にしてはならない爆弾発言を言ってしまったからであった。

「よ、よく分かりました。ファムさん。失礼なことを聞いて本当に申し訳ありませんでした」

「うむ。よろしい」

 女性の前では歳の話は厳禁、と心のメモ帳に油性ペンで大きく書いたハジメは深々と頭を下げてファムに謝罪し、それを見て彼女もようやく機嫌をなおしてくれた。

「あの〜、話は終わりましたか……」

『え?』

 ハジメとファムが揃って声が聞こえた方を見ると、眼鏡をかけた気弱そうな女性教師が教室から顔をのぞかせていた。

「えと、そろそろ自己紹介してもらいたいですから、教室に入ってもらえませんか?」

『あっ……』

 教師の言葉にハジメとファムは、自分達が長い間話していたのに気づく。今二人がいるのは自分達が今日から通う教室の前であり、教室から顔をのぞかせている教師は今日からお世話になる担任教師である。

 今日はハジメの初の登校日で、担任教師に「生徒に転入生のことを伝えますから、呼ばれるまでそこで待っていてください」と言われて教室の外で待っている時に
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