十一日目 十二月一日(木)後編
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神の稲妻の様。
「アラララララィィィィィッ」
赤髪の巨漢のライダーが吼える。セイバーとランサーが距離を取り、バーサーカーだけがライダーの攻撃範囲内に残される。
「受けて見よ、我が宝具の力っ。これが征服王イスカンダルの覇道よ!」
バーサーカーが全身から炎を激しく放出し、迫り来る大戦車に炎の奔流をぶつける。だがその程度では、ライダーは止まらない。それはバーサーカーも解っているのか、身体の軸を落とし、剣を仕舞う。
「邪魔モノ、コロス、コワス。ユルサ、ナイ……」
「はは、面白いっ。受け止めれるかどうか、やってみるがいいっ」
雷牛がバーサーカーと激突する。膨大な魔術的装備の衝突で、耳をつんざくような轟音が鳴り響く。炎を纏ったバーサーカーが、がしっと重戦車を受けめた。速さに乗った戦車がバーサーカーを、押して、押して、押しまくる。だがバーサーカーは地に足をしっかり付け、土を抉りながら後退してはいるが、倒れることない。戦車の勢いを止め、突き抜けようする力の行き先を徐々にずらしていく。とうとうライダーの宝具を受け流した。コースをずらされた戦車が敵のいない虚空を突っ走りながら、再び上昇してバーサーカーから距離を取る。
「まさか、本当に止められるとはな。惜しい。狂戦士でなければ我が軍勢に招き入れるのだが」
「セイバー、いけるか。こうなってしまえば、他に手はないぞ」
「そうね。こういう形で正体を明かすのは癪だけれど、まずは出る杭を打たなくてはね」
頷き合う、セイバーとランサー。セイバーのショートソードと、ランサーの赤槍が魔力の煌めきを放ち始める。セイバーの剣は死の香る紫。ランサーの槍は、鋭利な赤い輝きだ。
ライダーが、セイバーとランサーの後ろに戦車を降ろす。
「余もまだまだいけるぞ」
今一度戦車の手綱に力を込める。
「本気で来いよ。最後に勝つのは僕のバーサーカーだ」
少年魔術師ウェイバーが、傲岸不遜に言い放つ。にやりと笑ったウェイバーが、高らかに宣言した。
「バーサーカー、お前も本気を見せていいぞ」
「滅ス、滅ス、滅滅滅滅滅滅滅滅ッ」
言葉に成らない叫びを上げながら、バーサーカーの炎が更に激しく爆ぜ、剣も一回りも二回りも巨大になっていく。
三人のサーヴァントが互いに目配せをする。すでにセイバーとランサーの武器の輝きも頂点に達している。バーサーカーとセイバー達は、お互いが攻撃を仕掛けるタイミングを伺っていた。だが二度ある事は三度ある。またしても闘争に水を差す、新たな役者が現れた。
「ウェイバー、ここは引きなさい」
感情がこもっていないかのような女の声。ウェイバーが癇癪を起したように、声の聞こえた林の奥を睨みつけた。
「舞弥、なぜ止めるっ」
林の闇から、冷たい目をした能面の女が現れた。年若だが、影そのもののような雰囲
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