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ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
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第53話 入学準備もトラブル続き 前編
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った襲撃の黒幕は、貴族派と神官である事。……更に、奴等がエルフの死体を確保している事と、その死体を証拠として大公がエルフと姦通したとされている事です」
私がそこまで口にすると、陛下は頭を抱えてしまった。
「ドリュアス侯爵が報告すると言う事は、その情報は確定と見て良いな。王都に入ってきた情報では、エルフの事しか分かっていない。そしてそれを知った貴族派の馬鹿共が、それをネタに余の……王家の発言力を削りに来ている。それだけでも頭が痛いのに、過激な者達が血族である余やアンリエッタまで背信者だと吹聴しているのだ」
そこまで口にした後に「弟の死を悼む事も出来ぬのか」と、本当に小さな声で呟いた。本音がこぼれたな。
それよりも“弟がエルフと姦通した”と言うスキャンダルの方が問題だ。このスキャンダルを利用し、陛下にまで背信者のレッテルを貼ろうとしている。そしてそれを
大義名分
(
いいわけ
)
にして、強行手段に出る者が居ないかが心配だ。
「となると、陛下やアンリエッタ様の警護は……」
「当然、増員している」
陛下が一瞬だけ、後ろに控える衛士を見る。
「しかし、娘の護衛が問題でな。そうでなくとも、あの娘には窮屈な思いをさせているのだ。出来れば同性の……それも同じ年頃の護衛が居れば良いのだが」
それは仕方がないだろう。烈風のカリンの影響で女性士官は増えたが、“護衛任務に見合う実力がある事”“信用のおける者である事”“いざという時は身を盾に出来る者である事”と言う三つの条件を加えると、残念ながら皆無と言うほかない。ならば、陛下の心労を少しでも減らすには……
「ならば、家のディーネを護衛に着けていただけないでしょうか?」
ディーネに軍務を教える心算だったが、こうなっては仕方がないだろう。ディーネの実力は、陛下も良くご存じのはずだし、別荘でアンリエッタ姫の護衛経験もあるので問題無い。
「良いのか?」
「はい。ディーネの実力なら、問題は無いでしょう。それに私は大公とエルフの関係が、捏造でないかと疑い調査を命じておきました。結果は数日中に報告が上がるでしょう」
「おぉ。よろしく頼むぞ。ドリュアス侯爵」
「お任せください」
あれだけの威厳を誇っていた陛下が、今はまるで気弱な老人の様だ。弟の死に弱気になっているのだろうが、早く以前の陛下に戻ってもらいたい。
私はこの時本心からそう思っていたが、まさかディーネを付けた事を後悔する羽目になるとは思わなかった。
翌日ディーネを連れて王宮に参上すると、貴族達に囲まれる羽目になった。こいつ等の目的はディーネだ。
美人に成長した事もあるが、温泉の効果で肌も恐ろしく綺麗だ。それだけでなくディーネが、ギルバート特製の戦装束を身
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