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ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第53話 入学準備もトラブル続き 前編
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りも……

「ミス・ミラン。この場への立ち入りを、許可した覚えはありませんが?」

 問題はそこです。別荘ならば、貴族の立ち入りを制限している場所は特にありません。しかしここは本邸近くの隊舎……いや、規模からすれば軍舎と言って良いでしょう。当然領軍の機密(主に私関連)もあり、それなりの警備を敷かれています。場合によっては、王家とドリュアス家の関係にひびを入れる事になりかねません。

「すまない。案内役が居たのだが、(はぐ)れてしまってな。困っている時に稲光を見えたので、来てみたのだ」

 嘘ですね。ドリュアス家が選出した案内人に、そんな間抜けは居ません。……居ないはずです。

「案内人の名前を教えていただけますか?」

「ディーネ嬢だ」

 お仕置き決定ですね。それよりも、普通にしていてディーネがそんなドジを踏む訳ありません。と言う事は、すきを突いて逃げて来た可能性が高い……まあ、どちらにしろアニエス(こいつ)には警戒が必要ですね。せめて目的だけでも割り出さないと、いざという時に対応出来ないかもしれません。

「では、本邸までお送りしましょう」

 これ以上ここに居て欲しくはありません。早々に退場願いましょう。

「サムソン」

 そのまま試作最終型(ロングソード)を渡し向き直ると、彼女の視線から属性剣が気になっているのが分かりました。目的はドリュアス製の剣か? いや、それならば正面切って依頼すれば良い。彼女の立場なら、アンリエッタや陛下から口添えももらえるはずです。家の心証を悪くする様な危険を冒す訳がありません。

「さぁ、こちらです」

「ああ」

 本邸に向かって移動を促すと、彼女は素直について来ました。そのまま無言で半ばまで移動した所で、沈黙に耐えかねたのかアニエスが口を開きました。

「少し聞いても良いか?」

「なんでしょうか?」

「先程の剣にか……」

「当家の機密となります。お答え出来ません」

 バッサリと断っておきます。ここであいまいな返事をすれば、すきを見せる事になりかねません。

「……そうか」

 会話が途切れた時に、こちらに走って来る人が居ました。

「ギル。ミス・ミランも……良かった。にげ……逸れたので心配していました」

 ディーネです。何を言い掛けたのでしょう? この娘は……。まあ、それは置いておくとして、僅かですが眉間に少し皺が寄っていますね。と言っても、私の笑顔を見て直ぐに青くなりましたが。この態度で“アニエスがディーネのすきを突いて私の所へ来た”のは確定と言って良いでしょう。

 現状でトリステイン王家は、ドリュアス家との関係を悪化させたくないはずです。反意を疑われているなら話は別ですが、それもありません。王家との
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