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ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第53話 入学準備もトラブル続き 前編
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りません。

 そして、秘印術とこの世界のルーンを上手く組み合わせれば、属性剣を作る事が出来るはずです。

 魔法が使える私が使うにはイマイチかもしれませんが、魔法が使えないサイトなら大きな武器となるでしょう。

 挑戦するのは火・水・風・土の四属性……いえ、土属性は厳しいので除外した方が良いですね。単純に属性を纏わせるだけでも、他の属性は使い手から精神力を集めて放出するだけ(水だけは周りから水分を集める凝縮)なのに対して、土は纏わせる物質の探知→理解して変化と採取→形成となります。ある程度の強度を確保する為とは言え、形成まで持って行くのは秘印術やルーンで再現するのが困難なのです。出来たとしても使用場所が限定されて、実戦では役立たずとなるでしょう。

 それ以外に使えそうな属性は、雷と氷……位でしょうか?

 この実験の成果を基に、火・水・風・雷・氷……五属性の剣を作り、サイトには使い分けさせるのが良いでしょう。

 あとサイトに必要なのは、ガントレットとグリーブですね。主原料にミスリルを使用し、重要な部分にはタングステン・ベリリウム合金を使います。拳・肘・膝を使った格闘戦を意識しつつ、武器を持っての戦いに本領を発揮するデザインにします。最初はサイトも重いと文句を言われるかもしれませんが、原作のサイトは防具を使わなさすぎなので、無理にでも使わせた方が良いでしょう。地味にルーンを隠す目的もあります。

 他にもマリヴォンヌに作成を依頼した、チェンジ・カード(衣服装備品収納・瞬間着替えのマジックアイテム)も早く作ってもらいたいですね。

 何時の間にか生産者(マッド)モードに入っているのに、この時は自分でも気付いていませんでした。皆がこの状態の私を、マッドギルと呼ばれてるのを後で知りました。心の中でルアーか!? と、突っ込みを入れた私は悪くないと思います。(そう言えば、こっちに来てから釣りをしてないな)



 サムソンとパスカルを巻き込み、昼夜も忘れてトンカントンカンやっていました。

 やっている事は簡単で“金属にルーンを刻みこみ折り返す”この一言で済みます。この繰り返しによって、金属自体に属性を付与するという技法です。その金属を鍛造して剣の形にし、その後制御の術式(ルーン)を組み込みます。保険として宝石を緊急避難経路として使い、魔力のオーバーロードで剣にダメージが行かないようにします。

 もう分かると思いますが、実験には成功し試作最終型(ロングソード)を作っている所です。自分でも予想外な程、順調に事が運びました。

 柄と鞘が完成すると、サムソンとパスカルと連れて外へと出ます。

「さぁ、楽しい試し打ちの時間ですよ」

 私がそう宣言すると、サムソンとパスカルが拍手をしながら歓声を上げます
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