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ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
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第53話 入学準備もトラブル続き 前編
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を見たアニエスが……
「あれはワルド子爵だな。彼の魔法に助けられたのか」
「ワルド子爵? 《閃光》の?」
「ああ。そのワルド子爵だ」
確かワルド子爵と言えば、熱心なブリミル教徒として有名だったはずだ。それを思い出すと同時に、彼への興味は消え失せた。ハッキリ言って関わりたくない。たが、助けてもらった事に変わりはない。礼は言っておきたいが、今は状況が状況なので軽く黙礼するに止める。
衛士隊のリーダーから、次々と指示が出されて行く。裏切り者が出た事から、汚名返上に必死になっているのだろう。
馬車がダメになってしまったので、陛下はアンリエッタ姫の馬車に同乗する事となった。馬車の護衛は衛士隊が務め、襲撃者と裏切り者の処理は、衛士一名とアニエス隊(+私)が担当する。やはり魔法が使えないアニエスの隊は、こう言う時に割を食う事になる。
「ミス・ドリュアス」
「はい」
突然陛下に呼ばれて何事かと思ったが、その手の中にアロンダイトの鞘があったので要件は直ぐに分かった。同時にアロンダイトが抜き身である事に気付き、流石に不味いかとも思ったが、鞘が陛下の手にあるので開き直る事にした。
「大義であった。そなたが居なければ、余は生きては居なかっただろう」
「勿体なきお言葉です」
私が頭を下げると、鞘を差し出してくれたので受け取り剣を納める。これから私は、アニエスと一緒に裏切り者の後始末が待っている。
「ディーネ」
その場を辞そうとした所で、アンリエッタ姫が不安そうな声をだす。衛士隊に裏切り者が出たので、私達が離れる事に不安を感じたのだろう。気持はよく分かる。しかし、今は不味い。今最優先でやらなければならない事は、何を置いても安全な場所に退避する事だ。処分等は、その後で良い。そう思った所で、先に陛下が口を開いた。
「アンリエッタ。不安なのは分かるが、今は護衛を……」
「マスター!!」
それをアロンダイトの叫びで中断させられた。その声で振り向くと同時に、空中に巨大な火炎球が現れる。なんて事は無い。裏切り者は、もう一人居たのだ。
「陛下!!」
衛士達が騒ぐが、もう遅い。火炎球は、既に放たれている。トライアングルクラスの魔法使いが、渾身の力を込めて放ったであろう魔法だ。この威力なら、《障壁》ごと目標を焼き尽くす事が出来る。しかしそれは、この場に私達が居なければの話だ。
私は無言でアロンダイトを抜き……
火炎球へと投げた。
「マスター!! それは無いですぅ――――!!」
アロンダイトが、情けない声を上げならが飛んで行く。だがその効果は絶大だった。
火炎球にアロンダイトがぶつかると、その炎の大半が消失する。喰いきれなかった炎も、何も無
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