暁 〜小説投稿サイト〜
ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第53話 入学準備もトラブル続き 前編
[16/19]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
題ない。
「錬度も数も衛士隊の方が数段上です。すぐに終わるでしょう」
「ほ 本当?」
「はい」
私が断言すると、アンリエッタ姫の顔から悲壮感が消えた。
……それほど時を置かずに、外の争う音は消えた。襲撃犯は取り押さえられ、今は衛士隊とアニエス達が周りの警戒を始めている。
「先に馬車を降ります。もう少し我慢して下さい」
覗き窓越しに陛下を心配する姫に、飛び出さないように注意する。そこにアニエスが駆け付けて来た。
「姫に怪我は?」
「ありません」
私も馬車の外に出て警戒するが、新たな襲撃者は居ない様だ。
やがて一人の衛士がこちらに来て「もう大丈夫ですよ」と宣言する。その言葉を待っていたとばかりに、アンリエッタ姫が馬車の外へ飛び出した。
「お父様!!」
この時油断が無かったとは言わない。だが、まさか衛士隊の中に裏切り者が居るとは思わなかった。
「おい!! おまえ。何をしている!!」
最初に気付いたのは、裏切り者の一番近くにいた衛士だ。しかし、その声が響いたのは、魔法の完成と同時だった。
発動した魔法は、エア・カッター。狙いは陛下。射線上には誰も居ないので、誰かが盾になる事は不可能。当然、防御魔法も間に合わない。
そこまで判断出来た所で、私はアロンダイトの鞘を陛下に向かって投げていた。
「守れ!!」
私の叫びと共に、鞘に仕込まれた《障壁》が発動する。
結果は……土埃の所為で、直ぐには確認出来なかった。だが、それを気にしている余裕はない。裏切り者の次のターゲットが、アンリエッタ姫だからだ。私とアニエスが裏切り者と姫の間に割り込み、自分の体を盾にする。事態が事態なので、アロンダイトの魔法吸収能力を使うのも仕方がない。
「エア・カッター」
私が構えると同時に、裏切り者の魔法が完成する。
……だが魔法は私達をそれて行った。よく見ると、裏切り者は数メイル離れた位置に転がっている。ウインド・ブレイク等の魔法で吹き飛ばされ、気絶したのだろう。狙いがそれたのは、撃つ瞬間に魔法を当てられたからか。
「助かった……様だな」
アニエスの口から、そんな言葉が漏れる。今の魔法を生身で受ければ、先ず助からない。私の装備なら死ぬ事は無いだろうが、それも露出した頭にあたらなければの話だ。魔法の直撃など、間違っても受けたくは無い。
姫に怪我がない事を確認すると、陛下の下へ行くと言うのでついて行く。どうやら陛下の方もご無事の様だ。
ようやく一段落つける。安心した所で、先程助けてくれた人が気になり周りを見渡す。すると一人の衛士が、こちらに軽く手を振っていた。訓練所で何度か見かけた事があるが、名前が分からない。それ
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ